OM
山田耕筰の「幽韻」から、「はなのいろは」「わすらるる」「」あらざらむ」
特に1曲目は、旋律が都都逸風なので、繊細な声の線の表現に工夫が必要と感じました。
具体的には、和音と音程感の調整と、明解な強弱の差を出すこと。
前者は楽譜に書いていませんが、後者は楽譜に細かく指示が出ているでしょう。
書いてある通りにやるのですが、それは言葉を語る意味があるので、山田耕筰がこの短歌を読んで感じた、言葉のニュアンスを汲み取って、それを強調するように表現することになります。
音程感の調整は、おおむね高すぎるピッチを低めに感じることです。
これは換声点以降の高音ではなく、中低音、特に中音域のロングトーンで効果があります。
音程感の調整が難しければ、意識してノンビブラートで歌うのも、同じ効果が出せます。
3曲とも、課題は同じです。
抽象的な言い方ですが、声楽的に綺麗に歌おうとするだけでは、これらの曲の良さが出てきません。
額に収まった泰西名画ではなく、生きた人間の生の表現という視点で歌ってください。
このことは、誰でもがと言う意味ではなく、OMさんのテーマと言ってもよいでしょう。
モーツアルトのアリアを歌うのとは、その意味において違う、と言えるでしょう。
発声の基本的なこととしては、中音域の声にもう少し胸の要素を入れて太くしっかりさせてください。
頭声が充分ある声なので、胸の要素をもう少し加えることで、声量と声質のバランスのかさ上げが出来るだろう、という試みです。
基本的なことなので、常に意識してみてください。