SKM
彼女の場合は・・というか、一般的に、自身の歌のスタイルを持っているPop系の方は、そのスタイルが発声法そのものという感じがしています。
つまり、演技のスタイルに限定された声の使い方をしているのでしょう。
こちらで声楽のレッスンを受けるようになって、8か月。月1回のペースですが、順調に身体を使った歌声が出来て来つつあると思います。
今日は、最終的に「気分良く歌う」「明るく楽しく歌う」という意識と、イメージを持ってもらいました。
もちろん、そこに至るまで40分近くを発声練習に費やしました。
発声練習は、声の変化を見ながら、舌の力みを排しつつ重心を落とした声の出し始めを大切にしました。
また鼻腔の混ざった響きも大切なので、ハミングも取り入れてハミングから母音へ変換する練習もしました。
最終的に、母音をEにすると、単純に歩留まりの良い声になりました。
これも多くの人に共通した傾向です。
どうやら、民族的と言うか日本語を話し言葉にする、我々に共通の癖があるのかもしれません。
逆に言えば、声楽発声は欧州言語の文化がもとになった歌声だ、ということが言えるでしょう。
最終的には、もっと演劇的な意味合いがですが、気分の良い状態の声とか、明るく陽気な声、というイメージで発声することも大事だ、と思いました。
それだけで、地声の強い癖が抜けた、上あごから上に響く明るい良い声が出て来ると感じられました。
最後に、以前に取り上げた「小さな古時計」を練習しました。
声楽的に評価するとして、声の発声上の意見もありますが、それ以上に「歌いまわし」が大事だな、と思いました。
要するに、マイクで歌う歌と、マイクなしで歌う歌の違いとは、単に声量の問題よりも、フレーズを大きく見せる技が必要だ、ということです。
これは、声の大きい小さい、という単純な話ではなく、音符の扱い方の違い、と言えると思います。
歌詞で歌わないで、母音だけで歌うことで、このフレーズの「歌いまわし」が良く勉強できますので、必ずしもコンコーネを勉強しなければならない、という
意味はないと思います。
ただ、コンコーネはたくさんのメロディが体系的に編集されていますので、母音で細かい発声とフレーズの歌いまわしを勉強するためには、
良い意味でお手軽な教材である、と言えると思います。