TSS

発声練習は、低音域4点C~5点bまで、滑らかにつながりの良い声で統一されるようになった点が進歩を感じさせてくれました。
2か月ほどの休みが、何か変化を与えたのでしょうか?
ともあれ、実際の歌も、全体に安定して良くなりました。

コンコーネOP15 の3番を練習しました。
中高音域でのメリスマの16分音符が、テンポ通りだと滑り気味なのは、歌いこみがまだ足りないせいだと思いますが、換声点を過ぎると息漏れ気味になる点も関係あるかも知れません。
息を多く流さないで声帯をきれいに合わせて効率よく響かせる、という意識で練習してください。

ヴェルディのIl tramonto
大分フォームが安定して歌えていますが、まだ喉枯れが起きるのは、喉が上がってしまう性でしょう。
姿勢に気を付けてください。
顎を良く引いて、喉仏がブラブラ動かない感覚で、上あごから上で響かせられると、高音発声の影響による喉枯れは避けられる様になるでしょう。
まだ、喉そのものに当てる感じであることと、その喉が支えられ態ないせいかと思います。

「私の名はミミ」
低音域が大分安定して、安心して聴けるレベルになりました。
高音発声は、現状でしっかり声を前に出すと、喉の負担の大きい発声になってしまうでしょう。
次回から、あまり口を開けない発声からやり直してみましょう。

MR

イタリア歌曲からStar vicinoと、Tu lo sai
どちらも換声点以前の音域であることもありますが、良く響いて安定した歌声になっています。
強いて言えば、高めの換声点辺りになると、ブレスが持たない傾向が出るようでした。

ブレスが持たない理由は、いくつかありますが、一つは息を流し過ぎる発声であること。
歌い出しで息をかなり使ってしまうため、後に残らない事。
それは、基本的な声量の感覚なので、声量の抑制を覚えることが必要です。

そのためには、より響きを集めて密にすることです。
大きな声ではなく、小さくて良く通る声、というイメージで声を作りましょう。
そのことと関係しますが、不要にレガートを意識しないで、歌詞を意識してメリハリを明快に歌うこと。

最後にDove sonoこれは、一聴しただけですが、レシタティーヴォをイタリア語の抑揚に沿った歌い方にする必要があります。
アリアは、発声の課題がかなりあります。特に高音発声は、声帯が開いてしまう点が、課題になります。

名人の歌声を真似する、という話が出ましたが、私はその説には反対、という話をしました。
声楽のテクニックの会得は、各人が持っている資質に依拠する率がとても大きく、向き不向きが大きすぎるリスクが大きいと思います。
人によっては、大化けする可能性がない、とは言い切れませんが、多分数%の確率、と断言出来ます。

それよりは、発声のセオリーを守ってコツコツと発声を覚えて、ドン・キホーテにならずに、良心的な音楽演奏が出来るようになってください。
レッスンでは「コンパクトな発声」という比喩を言ったと思います。

FT

中低音発声で、ブレスを高く入れないで低くゆったり入れる感じを持つと、喉もゆったりします。
そうやって胸より下からリラックスして声が出るイメージを持ってください。
母音発声では、AやEなど、喉が上がりやすい発声の際に注意して、常に低く構えることで喉をリラックスして出すようにしてください。
ただし、舌根に力を入れて、喉を深く落とそうとしないでください。
これは、弊害があって一利もないです。

これを防ぐためには、子音発音以外、常に舌先を下歯の裏に付けるようにしてください。
具体的には、喉から下歯に向かって舌が山形になるようにです。
この逆の舌がペタンと落ちた状態にならないほうが良いです。

喉のポジションを低く構えるためには、喉ではなく、ブレスの時に、腰も含めた下腹部を少し張るように息を入れ保持すると安定すると思います。

小林秀雄「落葉松」
これも、声のポジションを低く意識すること、特に母音のAとかEは気を付けてください。

小椋圭「海辺の恋」
低音域が多いですが、すっかり声が響くようになり、ほぼ問題なくなりました。

今回のレッスンの成果が大変良いものだったので、是非とも次につなげてください。

YM

第九合唱のソプラノパートの練習となりました。
この曲のソプラノパートは、換声点近辺をうろうろするフレーズが多く、しかも、メッツァヴォーチェで歌わされることも多いため、大変難しいものです。

いくつか、部分練習をしましたが、ドイツ語のUberのUなどのUウムラウトの発音の高めの音域は、意外とUのようになって、喉が舌根で下がりやすいために、
微妙に♭になります。
Uウムラウトは、フランス語のyと同じで、母音のIが基本です。
Iを発声しながら、口を丸く(円唇化)することで響きが決まりますので、Iの母音でピッチを高く決めます。

ピッチの問題は、上あごから上に軟口蓋を通って鼻腔に声を通すように、声量を抑制するように発声すれば、大体良いと思います。
声量の抑制も、良いピッチと同じパート内の人との声の一致をするために必要な条件です。

常に他の人の声を聴きながら自分も歌うこと。そういう行為の中で、自然にピッチの合わせ方が分かって来ると思います。

高音発声になったら、無理に声を抑え要よ思わないで、喉奥を欲開けえるように歌いましょう。
ただ、跳躍の時に乱暴に押し出さないように、滑らかに処理することを大切にしてください。