ISA
フォーレの「月の光」とオッフェンバックのホフマン物語から、アントニアの「キジバトは逃げた」を練習しました。
ブレスが苦しいこと、喉を上げてしまい高音がしっかり出せなくなる点が、今日の課題になりました。
結局、呼吸法の問題が基本です。
同時に、声の扱い方と呼吸法は一体なので、息だけ腹式呼吸で入れられたとしても、発声が出来ていないと息漏れは変わりません。
昔から発声のこつを教えるときに「あくびをするように」と言われましたが、これは喉の状態とブレスのやり方を一まとめで感得させる言葉です。
一まとめに一言で言ってますので、誤解も多々現れるわけです。
特に喉の上の「おとがい」と呼ばれる部分に力を入れて声を出す癖が出てしまいます。
あくび、というと、喉を深く意識してしまう点が、間違ったあくび発声法の典型になります。
これを避けるために、ブレスから一まとめで教えました。
まずブレスを入れる場所を、おへそにします。
おへそから息が入ると、息が上半身を駆け上がり、口奥の軟口蓋まで満ちる感覚をイメージします。
軟口蓋まで満ちたら、そこから声が出だす意識で声を出し始める、という具合です。
このブレスで、喉から軟口蓋にかけて軽い緊張感が生まれると、息漏れがなくソフトな歌声が出るはずです。
これが正しい「あくび」唱法です。
あくまでメッツァヴォーチェを出すための方法であって、フォルテの声ではありません。
この点を誤解している人が多いと思います。
今回「月の光」では、フレーズの歌いまわし、息の配分みたいなことを練習しました。
どこに息を配分するか?どこから息を吐いて行こうとして歌うか?ということです。
声の出し始めで息を吐き過ぎないことと、フレーズの終わりにかけて息を吐き切るようにすることが、基本です。
これを、意識して歌わなければ、いくら息があっても足りなくなることが多くあるはずです。
無計画に歌わない事です。
「キジバトは逃げた」は、なんといってのサビへ続くところの5点F♯が連続して続くフレーズでしょう。
この発声で喉を上げないで対処できるかどうか?
喉の下の窪みで歌うようにすることです。
強く当てるとかえって出来ませんの。
ブレスで腹部をしっかり支えて、喉下のポイントで歌い続けてください。
最後の高音で、これを口から思い切って吐き出すようにすればよいのです。
5点F♯が緊張で、5点Aがで開放してやるのです。