レッスンをしていても、そのことが本人の進歩に繋がっていないと感じることがあります。
それは、単に技術的な理解力や実行力の問題ではなく、それぞれの方のキャラクターや、大げさかもしれませんがその人の人生観みたいなものが関係していると思いました。
端的に言えば、上手く行かない現実から逃げてしまうことです。
あるいは、何となく表面的にその場を上手くつくろってしまう。
やり過ごしてしまう、と言えばよいでしょうか?
上手く行かないことに真正面からぶつかろうとしていないのです。
あるいは、最初から出来っこないと考えてないか?
それらの原因は、練習方法が未熟であったり、単なる練習不足によることが大です。
でも、皆さん社会人で趣味でやっていますから、練習ができなくてもある程度は仕方ないことだ、と私も理解しています。
しかし、出来てないならいないなりに、何が出来ていない事なのか?何が出来ているのか?という違いを理解しているかどうか?
もし、その事に意を注いでいれば、仮に出来ていなくでも、すこしは改善されるはずです。
また、レッスンの際に指導者に対して質問がたくさん出て来るはずなのです。
質問も出てこないし、言われた事を唯々諾々としてやるだけで、しかも上手く行かない。
これでは、本人も辛いでしょう。
本人は怒られないようにするにはどうすればよいか?と頭を低くして我慢しているのみ、となってしまわないでしょうか?
これでは、せっかくのレッスンが水の泡です。
何のために謝礼を払ってレッスンをしているのか?となります。
私は、生徒の不出来に対して、怒らないように手心を加えるために謝礼をもらっているわけではありません(笑)
指導をして、相手が成果を少しでも得られるための努力する仕事の対価として、レッスン代をいただいているわけです。
ですからレッスンを受ける方は、その対価に見合った指導を受ける権利が当然あるわけです。
そのためには、何がわからなくて何がわかるのか?と言う理解を明快にしておくことです。
お金を払うだけで、あとはオートマティックに上手くは行かないのが、この世界のレッスンの現実です。
つまりレッスンとは共同作業なのです。
例えば・・・今日のレッスンで何が上手く行かなかったか?録音することも良いですが、ノートに日記をつけることはもっと良いでしょう。
家に帰ってそれを書いて、練習の時に読み返してください。
とても良い復習になるでしょう。
それから、最後に、一番大切なことですが、自分に対して諦めないこと。
諦めてしまうと、そこで終わりです。
諦めて何となくレッスンをやって歌った気になる、あるいは真面目に精進しようといないでも単に歌を楽しむということも、個人の自由でしょうが、
こと、私にしてみるとその徒労感は半端なものではありません。
それだけは理解してほしいと思って、毎回一人一人に誠実に指導を行っています。