自分の歌声を判断する耳は、最終的には必要なことですが、その前に判断出来る耳を育てなければなりません。
これは、長期間の修練を通してしか育てられません。
でも簡単な自分の声の判断方があります。
それは、聴衆の耳にならない、という判断基準です。
聴衆は、離れたところからホールの響きを加味してあなたの声を聴いている。
あなたは声の響きそのものだ、という事実です。
どうでしょう?
声は声帯の振動の仕方が大事ですが、それだけでは良くありません。
ヴァイオリンやチェロは、弦だけで響きを出しているのではなく、胴体に共鳴させているから、良く響いている事実に目を向けてください。
人の歌声も同じです。
そのための、ブレス時の腹式呼吸や胸の開き方であり、口の開け具合の調節があるわけです。
口を閉じて響きを細く集め前に当てるだけにすると、結果的に喉の締った声になり、音程のコントロールも上手く行かなくなる場合もあります。
フランス語の発音を歌に乗せるとき、辞書に書いてある発音記号通りにやっても、歌としてのフランス語の歌唱にすんなりとはなりません。
それはステージで朗読されるフランス語が、日常会話で語られるフランス語と違うことと同じです。
また、前述の声の共鳴効果も加味しなくてはなりません。
現状では、とにかく口の開かない発声なので、発音に際して開けることが出来るようになってください。