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伴奏合わせでした。
ドビュッシーの「噴水」から

一般論ではなく、今回のお二人のアンサンブルという側面から、まず歌手側が音楽を導くことが大事であることを指摘しました。
というのも、ピアノ伴奏の上に乗って歌っているだけ、という印象があったからです。
このため、声も活き活きとしたオーラが出ないのでした。

まずは声を楽に出せる、というレベルで声量を出してもらいました。
声量は、リラックスした自分の声を出すことを重視してもらいます。

これで、俄然声は活き活きとして、歌が音楽を生み出すオーラを持てるようになりました。

曲の表現は、以前のレッスンでも指摘した通り、楽節毎に指示されているテンポ変化を忠実に表現することです。
それは、歌詞の内容を語る話者の感情的な変化を表現しているからです。

「砂浜」はピアノ伴奏の音楽についてがメインだったかと思います。
ペダリングが禁欲的に過ぎるので、まずはペダルをたっぷり使うこと。

ピアニスト氏は、ソフトペダルもソフトペダルも良く使えていますが、ソフトに頼り過ぎている感がありました。

それと、タッチに気遣いすぎて、右手の和音の和音感が乏しい部分もありましたので、指摘しました。
左手のベース音も、もう少しひびかせた方が全体の和音の響きを強化する意味で有用なことでしょう。

プーランクの「歌われる調べ」は、ほぼ楽譜指示通りのテンポで音楽作りすること、を指摘しました。

この曲集のテンポの速さは、ふつうの表現というよりも、映画を見ているような現代的な感覚が強調されているので、
ふつうのクラシック音楽的な芸術表現を狙わない方が良いのです。
ロマン派の作曲家ではないのです。
その意味ではサティからの影響が強いと想えます。