2017年4月17日声楽レッスンノート
SKMM
発声練習は30分くらいかけたでしょうか。
胸声領域の声質の改善を主眼としました。
理論的に言えば、素の胸声状態から頭声がミックスるような声質へということになります。
クラシック的な発声というよりは、ピッチが良くて良く通る声、ということです。
ハミングで声質を細く高く意識することで、太い癖のある喉での共鳴を防ぎます。
その状態が確立したら、口を開けたハミングを行うことで、母音発声への橋渡しをします。
その後母音発声にします。口を開けたハミングで顎を動かさないで、軟口蓋を上げるイメージで母音に変換します。
Nga~とンガ~という声になります。
しかし、これだけだと彼女の場合は声帯が開き過ぎてしまうので、子音のMを使い、母音はIを利用して声帯の合った響きを練習します。
Iで出来たら次にAに応用してみます。
このようにして、息もれの少ない明るい良く通る声を目指しました。
誤解のないようにお願いしたいのは、このような声楽発声の方法を強制することが目的ではないということ。
どうすると、どうなる、という方法論と実践を経験して出来るようになることで、自身の音楽性に幅が出来、結果的に取捨選択する余地が生まれることです。
最後にAmarilliを練習しました。
この中で大きかったのは姿勢です。横で見ていると、顔がかなり前に出た姿勢で喉に頼っていること。
そのため、発音の度に下あごががくがく動いて、喉上の舌根下部の部分も、動いているのが見て取れます。
顎を動かさない発声を覚えるために、人差し指をくわえて歌ってみます。
それから、顔の姿勢。胴体の真上に乗っているイメージです。
頭頂部に穴があってコインを底に入れたら、おしりの穴からぽトンと落ちる、という感じです。
腰から後頭部にかけて、真っ直ぐになっている状態をイメージして立ちます。
これらの要素を加味すると、声の響きが前に直接出るのではなく、頭部から全体に放射するような印象を受けます。
これが、近鳴りしない声、ということになるのでしょう。