2017年4月28日声楽レッスンノート

KBY

今回は発声を中心に練習しました。
今回のテーマ的なものは、特に換声点で口を開けすぎないように気を付けて発声することと、ブレスから歌い出しにかけての腰回りの腹筋の使いかたでした。
曲はトスティのRosaとAddio2曲を練習しましたが、結果的に5点Asまで、以前のようなくぐもった響きにならずに、すっきりとしたソプラノらしい響きを出せるようになりました。

大きいのは換声点の発声です。
姿勢を矯正して、顎の出た姿勢にならないようにし、鼻腔に響きを通すように意識してもらいます。
特にAの母音は、下あごの降ろしに注意してください。
鼻腔に響きが乗っかっているように感じたものを、下あごを降ろすことで壊してしまわないように。
コツが判れば、逆に下あごを良く降ろすことで太い声にすることもできるでしょう。

後は、ブレスから歌い出しにかけてのお腹周りの使い方を教えました。
腹筋はブレスで少し拡がるようにすることで、その後の歌い出しで声門が良く閉じた状態を作ることが出来ますから、響きがしっかり安定すると思います。
いわゆるお腹のついた声、になります。

その上で、その緊張したお腹を保持することで横隔膜の動きを平準化して呼気のコントロールが出来るという理屈です、
呼気の伸展は、歌うことで自然に下腹部が中に入って行き、最終的には側腹もしぼんでいく、という感じです。
この腹筋は跳躍時や特に高音発声の時にしっかり張り出すように意識してください。
このことで、声も良く響きますし、何より喉を痛めない発声が可能になるはずです。

トスティの2曲は、発声練習とブレスのやり方を取り入れたせいか?いずれも大変良く歌えるようになりました。
特に高音の発声が、かなり明快にすっきりした声になって来たと感じました。

NA

発声練習は、下あごの力みに気を付けることと、フレーズのイメージの持ち方を指摘しました。
彼女の声は、換声点前辺りから響きが少しくぐもるような傾向があります。
これは。下あごで喉を上げないように力を入れているのだと思います。

姿勢を正して首でしっかり頭をまっすぐに支えてください。
つまり顎を引いた状態です。
顎をある程度引いた姿勢にしないと、顎に悪い力がかかりやすいのです。

そして顎が使えない代わりに、唇を使ってください。
下唇を少しめくるように出すことで喉が上がらない発声になりますし、上唇を同じようにめくれ上げるようにすることで、鼻腔共鳴が期待できるでしょう。
特に母音のAの発声は、下顎を降ろさないで、上唇でコントロール出来ると、明るい前に良く響く声になります。

発声だけの特徴かもしれませんが、フレーズを前に進んで行くようにイメージすることが、メロディの自然な抑揚を感じさせる大きな要素になると思いました。
前に進むのは音程上昇だけではなく、下降形も同じです。

曲は、シャブリエのマリエットのクープレという曲。
マイナーなオペラのアリアです。
フランスらしい大変きれいなメロディです。

譜読み途上とのことで、フランス語の発音の修正とフレーズの強調のさせ方とか、テンポの緩急の確認に及びました。
やはりきれいなメロディですが、歌詞発音が明瞭であることも音楽の一要素ですから、明快に語ることが、この曲の美点を引き立てると思います。

基本的に子音がほとんど立っていないので、まずやり過ぎくらいにやってもらいます。
舌をしっかり使うこと、そして舌が付く場所を明快にする事。
VやBMなど、唇を使う子音も、充分に気を遣って処理してください。
それから、最初はやる意味が判らなくても、楽譜に指示してあるRitとA tempoの区別を明快に付けるように覚えてください。

言葉の意味が判ると、その意味も分かるようになると思います。
必ず歌詞の意味と、楽譜に指示されていることとの照合をしてください。

最後にフォーレのSoirを練習してみました。

彼女の声の明るい部分が、この曲のある一面を良く表現している、と感じました。
単なるテクニックではない、音楽性でしょうか。
この曲の明るい部分を引き出していると思います。
大変合っていると思いました。