2017年4月29日の声楽レッスン

TNA

発声練習の際には、声のフォームの重心が低く出来るのですが、歌声になると高くなります。
それで、改めてブレスから声出しにかけての身体の使い方を教えました。

基本はブレスで、息を吸うときに胸に感じるのではなく、横隔膜で息を感じることです。
平たく言えば、胸にスースー入る感じではなく、静かに胃の辺りに感じるように入れることです。
そして、その息を一気に出すのではなく、少し留めるような感じで出そうとすれば、腹筋の使い方が逆にわかると思います。

フォーレの「秘密」声の扱いは、やはりポジションが高くならないように、ブレスの方法と声の出し始めに気を使ってもらいました。
後は、リズムを正確に扱うことに意識を集中してください。
特に16分音符を丁寧に。全体に8分音符を1拍と感じて歌ってください。

「イスパーンのバラ」良く歌えています。
こちらも声のポジションが高すぎないように、また中音域で声がかすれないように注意してもらいました
特に母音のAやE、Oなどの開口母音は、下あごを下げすぎないでスカスカした響きにならないポイントを探してください。

モーツアルト、「女も15になれば」声はよく響くようになりましたが、やや平たい子供っぽい声です。
口の開け方が横開きになる傾向が強いためです。
特に母音のEは、口角を使わず縦に開けるように意識してもらいました。
また、発声練習の基本のお腹の使い方は、十分意識してください。

HT

デュパルクの「前生」から始めました。
今回のレッスン、声のことでは、喉を深く意識することで共鳴ポイントを太く広がりのある声を狙ってもらいました。
元声は明るい良い声ですが、おそらく高いポジションだけを意識しているために、声質に良い暗さと深みが欠ける傾向があったからです。
ただ、あごの使い方をほどほどにしないと、呼気を強くして声量を出しすぎていると、あごが疲れて歌えなくなってきますので、注意してください。

あとは改めてですが、リズムの扱いには十分注意してください。
伴奏に対しての3連符の扱いは、ずれがあります。
結果オーライでも良いですが、きちっと把握していないと、ピアニストと合わせられなくなる可能性も出てくるからです。

SNT

ヘンデルのVadoro pupilleやUna donna quindicianiなど練習しました。
発声練習からのことですが、やはりブレスが高く腹部が使えていない発声になるために、ファルセット傾向が強い声になります。

ブレス時点で、胸にすっと入れるのではなく側腹から背中にかけての腹筋を拡げるようにブレスを入れます。
これは、息を入れない状態で物を持つときに使う腹筋を使って、いわば「いきんだ」状態を確認します。
確認出来たら、ブレスをするときにその腹筋を一緒に働かせます。

このことで、声の出し初めで声門が閉じやすいブレスになるわけです。
これが腹式呼吸が声楽発声にとって意味が出てくる理由です。

このことと、彼女の場合は、喉が高いことは関係があるので、下あごをよく下した状態を維持する発声をしてもらいました。
このことでもファルセットになりにくい発声になるからです。