2017年5月6日声楽レッスン
NK
発声は基本的なフォームが安定してきて、喉に負担のない印章のある声が聞けるようになりました。
今日の注意点は、中低音での発声では、発声時の口奥の高さを確保することで、声の倍音をよく出すことで音程感の良い声にすること。
中低音の声は、音程そのもので歌おうとすると、概ね音程が♭に聞こえやすいものです。
それから、5点C以上の音域とのつながりという面においても、この天井の高さを確保する発声が、役立ちます。
つまり、換声点への準備という点でも意味が出てきます。
一方、換声点近くなると口奥の気道側が狭くなりがちです。
これは、換声点が近づいてくると、意識してフォームを高くして音程を意識しよう、とするからでしょう。
このこと自体が、結局中低音発声においての天井の確保の必要が関係してくるわけです。
つまり低音発声において、すでに換声点発声が自然に出来るように発声していなければいけない、という理屈になります。
この発声のために、以前も少し取り上げたことのある、息を吐く練習をしました。
ささやき声の感じの呼気を、脳内では音階を発声練習している意識で吐いて行きます。
ささやき声、というのが意味があって、これをやるだけで天井の高い発声の状態になるからです。
この発声は主に中低音で強く意識することです。
そして、換声点近辺になってきたら、喉が上がらないように、口を縦に開けて行きます。
縦に開けるためには、逆にほっぺたをへこませるような口の開け方をします。
必然的に唇を少しだけ突き出すような意識を持つはずです。
この時に口角を横に引いてはいけません。
横に引いてしまうと、声帯が薄く引っ張られて声質に影響するからです。
横に引くのは、もっと高音の完全な頭声の声区になってからの細かい動きに即応するために使うべきです。
逆に中低音発声で使う方が、天井を強く意識するためには役立つでしょう。
コンコーネの26番は良く練習が出来て仕上がっていました。
練習したことは、
Sento nel coreとNina、最後にLidyaを練習しました。
Sento nel coreは、強拍の意識を明快に持つことを覚えてください。
結果的にフレーズの入りと出口が落ち着いて、安定したフレーズになり聴く者が安心して聴ける音楽になります。
Ninaは、とても良く歌えました。強弱を違いを明快に出すことを意識してください。
Lydiaは、母音Aの響きを明るく良く響かせること。
ディミニュエンドや弱声の時に、息が流れないで止まってしまわないように。
弱声やディミニュエンドは、単に音を小さくとか弱くしよう、と思うだけでは、息の流れない歌声になります。
どんなに弱声でも息が流れている歌声であることを忘れないでください。
SM
歌声は安定しています。
彼女らしいふくらみのある中低音は魅力があると思います。
また高音は、丁寧に気を付け歌えば、レッジェロで軽やかなソプラノとしての特徴が出せる歌声になります。
その場合、中低音との声質との違いが出ますが、声質よりも中低音の声の揺れには気を付けるべきでしょう。
中低音発声は、喉を掘り過ぎないことと、息をはき過ぎない事。
息を高く当てる意識を持ってください。
つまり、声を高く集める、という感覚です。
喉を深くして低い共鳴を出しているために、喉仏が息で揺れてしまう、ということです。
声を集める意識は、母音のIで練習することと、響きをなるべく鼻腔経由で出すこと。
このために、鼻根辺りを狙うと良いでしょう。
そして、AやOなどの母音の際には、極力舌先を下の歯の裏側に付けて、舌が奥に引っ込んでしまわないように。
なるべく口から前に出す感覚を持つように気を付けてください。
そして、一番大事なことは、これらの発声の基本にブレスの方法と歌う際の腹筋の使い方があります。
これが、おざなりになると、単に口先で発声しているだけの歌声、になってしまうわけです。
必ずブレスを腹筋で入れることと、歌う際に腹筋を意識することを忘れないでください。
フォーレの「ある日の詩」を練習しました。
まず譜読み段階では、テンポをゆっくりに設定して練習してください。
4拍子ならメトロノームを傍に置いて、ゆっくりの拍に設定して、メトロノームに合わせて歌えるように練習してください。
どの曲も同じです。
それから、フランス語の読みは歌と別に、これもゆっくりと朗読をして、発音を確実に出来るようにしてください。
中田喜直「悲しくなったときは」これは、寺山修司詩による「木の匙」という女声と一緒に歌う歌曲集の中の女声の曲になります。
3拍子と5拍子が入れ替わって出てきますので、リズムの勘違いに注意してください。
5拍子が6拍子に勘違いしてしまいます。最後の「独りぼっちの」は、冒頭のモチーフと同じですが、冒頭は3拍子で、コーダ部分は4拍子で書かれています。
譜面を良く見て、譜面の指示にあるリズムで、正確に歌えるように練習してください。