2017年5月8日声楽レッスンノート

OM

コンコーネ41番、42番から練習を始めました。
声が温まるまでは、声帯の閉じが悪い息漏れ傾向はあり勝ちなので、気になりません。
課題としては、ブレスをもっと意識することで、音楽のスタイル、ひいてはリズム感とを明快に出すということです。

以前からこの点は感じていましたが、良く言えば身体の使い方に無理がなく自然です。
しかし、音楽はエネルギーの発露であり表現です。

音楽に相応しいリズム感やフレーズの形を声で表現するためには、楽に出来るものではない、と考えることは、
劇場という空間の大きな場所での演奏という行為を考えたとき、自然なことではないでしょうか?

小さなサロンではなく、最低200人~500人のホールで遜色なく歌声で表現出来るようになるためには、身体をもっと使う発声を覚えるべきです。

そのための練習として、まず息をはく練習をしました。
この呼気の練習は2つのポイントがあります。

1、歌声時に必要以上の息漏れにならないための、口腔内の使い方。
2、息を強く出すための腹筋の意識の覚醒。

1については、単に軟口蓋に呼気を当てる意識を持つこと。この基本を覚えるために、まずささやき声で喋ってみます。
この時の息をはく音、を覚えてそれに腹筋の働きをくわえて強く吐いてみます。

具体的に書けば、軟口蓋に息を当てると上手く行くでしょう。

腹筋は、横腹が膨らむようにする腹筋を、ブレスと同時に自然に働かせられればOKです。

これらの練習で、声の響きが単純に倍増します。

この応用として腹筋を抑制することで、呼気を保つ、ということは、やって見ればわかることだと思います。
ある長さを持つフレーズのなかで、どう山を作り、あるいは平たんに表現すべきかは?呼気の配分と喉の扱い方で、どのようにでも表現可能になるはずです。

コンコーネは、古典的なイタリアのオペラの歌唱表現の基礎を育むようなスタイルの音楽です。
まず音楽を良く感じて、そこに存在する喜怒哀楽の姿を、発声の確立を通して、十二分に表現することを譜読みの段階から考えて練習してください。

特にリズム感には、十分に留意してください。
伴奏無しでアカペラで歌っても、その表現が充分伝えられる様に歌えるようにです。

曲は、デュパルクの「哀しい唄」を練習しました。
下顎を出して暗い声を出す癖があるので、下顎の動きは注意してください。
特に中音域の鼻母音です。

後はやはり子音です。子音が母音発声を誘発する、と思ってきちっと意識して発音する癖を付けてください。
特にRとLの区別、D、Vなど、Bなど破裂音、などなど、無意味に強調するとおかしいですが、意識していないのも音楽的によろしくないです。
歌曲は、歌詞発音も音楽の大事な要素です。

モーツアルトのオペラ「ポントの王ミトリダーテ」のアリア。
モーツアルトらしい活発で明快なメロディが楽しいアリアです。
やはり勢いとかヒロイックな雰囲気を、歌声がどれだけ表せるか?という表現になります。

教えたように、ブレスをしっかりさせて長いフレーズであったり、フレーズの中の山をきちっと歌声で表現したり、というフレージングとリズム感を良く出してください。
このためには、ブレスの支えがしっかりしていないと出来ないです。
今日の呼気と腹筋の関係をよく研究して、呼気のコントロールを意識してフレーズやリズム感を表現すること、を学んでおいてください。