2017年5月29日声楽レッスンノート
SKMM
いつものように発声練習に時間をかけました。
結論から書くと、ブレスから呼気のコントロールにかけての部分にほとんどを費やしました。
その理由ですが、どうしても喉を締め気味にするからでした。
そしてさらにその理由は、結局、胸呼吸の傾向が強いからではないか?と思いいました。
歌っている様子を見ても、お腹周りに意識があまりなく、胸で吸うため気道を通る息の音が頻繁に聞こえていることで、それが判りました。
それで、原点に返って声楽の呼吸を一から教えることにしました。
これまで、呼吸法についてはあまり細かく教えなかったのは、呼吸法の指導がお腹を悪い意味で硬くしてしまうことが多いと感じるからです。
そのため、喉の扱いを中心に教えることで、呼吸が自然についてくれば・・という考えもあります。
さて、最初は呼気をコントロールしやすい、声楽呼吸の方法を教えましたが、息が入らずお腹が硬くなってしまいました。
そこで、ブレスをお腹の脱力で自然に入れる方法に変えるため、下腹部は脱力状態から、歌うとお腹が凹んで行くという方法に代えました。
これを最初から歌声でやると、お腹を必要以上に使いすぎるので、自然に行うために呼気を使って練習します。
呼気を使って練習する際に、喉も歌声に適した状態にするため、ささやき声の状態にします。
こうすると、息混ざりの開いた喉になりやすく、喉を締めすぎる癖を矯正できるわけです。
息は口から目にはくように出すのではなく、息を軟口蓋に当てるようにします。
このことは喉を締める、という意味ではなく、ホースの先をつまむと水が鋭く遠くに飛ぶ原理を応用したもので、
喉の状態を適度に狭く保とうとすることで、息の方向性に指向性を付ける、というような意味ととらえてください。
このことで、お腹の腹筋と呼気との連動が密になりやすいのです。
そして実際の歌声でも、結果的に息と声との連動が生じやすくなるのです。
今回のレッスンは、息と声との連動というテーマでした。
お腹を使う声楽の呼吸法が未熟な人が、最初から息もれの無いきれいな歌声をめざそうとすると、低音で地声上がって行くと高音が無理なので裏声、という声区の二極化を招いてしまいます。
この状態は、息と声の関係が密になっていないので、なおさら一所懸命胸で息を吸おうとしてしまう、という悪循環が起きてしまうでしょう。
最後にコンコーネ9番を練習しました。
譜読みが不完全なので、再度やり直しということで、次回には今回教えた呼吸で、どれだけ歌えるか?
やってみたいと思います。