2017年6月7日声楽レッスンノート
SKT
発声練習を見守っていると、やはり中高音5点D辺りからすでにファルセット傾向の声になります。
原因は、胸呼吸とそのせいで肩に力が入ることにあります。
後で聴きましたが、合唱で音程を絶対下げないように、下げないようにとの気遣いで、こうなるということでした。
母音のIで練習しかけましたが、これはこれで彼女の場合デメリットが出るので、母音のAを中心に行いました。
この母音の使い分けで、発声に必要な筋肉の部位が変わってきます。
まず口が開かない発声を改善するため、口を高音に昇るにつれ開けて行く練習をしました。
これは、鏡を見ないと自覚が生じないので、立ち鏡を見ながら練習します。
口を開ける時、下あごを降ろす行為が喉を上げない意味があるし、上顎を上げようとする意識が胸錯乳突鎖筋を良く働かせて、倍音のある声に寄与するでしょう。
これらも、バランスなので、練習を重ねる必要と、指導者に聴いてもらう意味があります。
後は、声の出し始めで息漏れを起こし勝ちなので、ブレス時の腹部から腰の張りを意識することと、歌うときに一瞬息を止めてから声帯を当てにかかる、ということをやってみるべきでしょう。
声門狭窄ではなく、息漏れを出さない発声がどういうことか?を漠然とではなく明快にわかるための、強制的な練習方法です。
これがわかると、いかにブレスが大事なことか?ブレスの意味が判るようになると思います。
多分、初心者の方のブレスは、管楽器の息を吸うことと同義だと思って吸っているケースが多いと思います。
トスティのソルフェッヂから5番。
基本的には、声の出し始めで息漏れを起こさないように、ブレスと声の出し始めの喉に意識を集中すること。
そして声の響きを頭に意識して出だすことで、跳躍の大きさは気にならなくなるはずです。
ということで、低音発声がとても重要になって来ると思います。
曲は、モーツアルトのUn moto di gioia
現在は、細かい表情は置いて、まず軽やかなテンポに乗り遅れないで、気持ちよく歌詞をリズムに乗せて歌えるかどうか?
という点だけ、気を付けて練習してもらいました。
同じくモーツアルトのドン・ジョヴァンニのツェルリーナBatti batti.,,
これは、発声練習でやってみた息を止めて息もれなく出始める、が中音域ではとても効果的でした。
あとは高音発声では、声質に気を使わずに、明快に口を開けて行きながら開放的に吐き出すように高音発声を行うということです。
音程を気にするために、肩に力が入ったり、胸で息をたくさん吸ってしまうと、喉のフォームが上手く出来ません。
息をたくさん吸おうとせず、お腹を張り出すように息を入れる、つまり重い荷物を持つ前の状態を再現してから声を出し始めますが、
その際に貼ったお腹を緩めないようにすることです。
その事で、不要に息をはかないで済むでしょう。
今回は、この発声方法を取り入れて練習してみました。