2017年6月15日声楽レッスンノート

SKM

母音のAで発声すると、中低音からでも、どうしてもお腹のつかない浅い声になりやすいのです。
このお腹がつかない声というのは、平たく浅薄な響きのことです。

しかし、Iで歌うと、俄然良い声になります。

母音のIは、自然に舌根が盛り上げるため、舌先が奥に引っ込まないのです。

母音のAとかOだと、舌先が直ぐに口奥に引っ込んでしまうのです。
これは、以下に舌で発声を調整しているか?という証拠です。

本人は意識がないが、軟口蓋を上げているつもりが実は舌で喉仏を下げようとしているバランスが強くなっていると思います。
この方が、声量が出ている気がする、というのもあるでしょう。

なるべく舌先を下の歯の裏に常に付けるように意識することと、5点Cを超えてきたら、喉奥を拡げる様にすること。
また、声の出し始めでは、声をみぞおち辺りから出だすような意識を持つことで、喉をリラックスさせること。

これがOmbra mai fuでは、もう一つ上手く出来ませんでしたが、Lascia ch’io piangaは、上手く出来ました。
出だしの4点AのLaの声でダンピングの効いた良い声を出すこと、がきっかけになりました。

つまり、ここでもリラックスが重要になってくるわけです。
ただし、腑抜けた脱力ではなく、微妙なころあいで緊張は保つ必要はあります。