2017年6月18日声楽レッスンノート
TSS
ちょっとしたことが大きな違いは、ブレスから声出しに至るところの意識です。
喉が緩くて、息漏れが出やすい発声になっています。
声のアタックで、お腹を出すように息をはいていないでしょうか?
というのも、声をだす瞬間に肩が下に向かって、一瞬下がるように見えるからです。
それから、ブレスした瞬間に息を一瞬止めるようにしてから声を高く出だす、という声の出し始め方も意識してもらいました。
これらの指摘で、歌声の息漏れが無くなりピッチの良い中低音発声になりました。
これが高音の発声にも微妙に影響を与えますので、大事なことだと思います。
ST
彼女の場合は、喉を下げるために舌を硬くする傾向が顕著です。
声を安定して出そうとすると、どうしても舌を硬くしてしまいます。
特に換声点近辺でなりがちです
ブレスの腹筋と顎を出さない真っ直ぐ前を向いた姿勢を堅持してください。
そして鼻腔の発声を行うことです。
今日、練習したモーツアルトのExultate jubilate は、特に換声点近辺の発声に精度が要求されます。
ここの発声が出来ていないと、この曲は歌えません。
また、中低音のピッチが悪いと、これもこの曲の品位を損ないます。
その意味でも、ハミングを中心に母音のUやIで行う鼻腔発声を徹底して覚えて行くことが必要になります。
ADY
遠方から来られるので、年に数回も出来ませんが、このところは来るたびに成果が得られていると感じます。
今回は、舌の脱力ということをうるさく言いましたが、これは効果がありました。
以前は同じことを指摘しても、力を抜くこともできない状態でしたが、今は言うとすぐ抜ける、という具合です。
そしてあごの下げ方も、力まないで上手く開けられると、これも声の共鳴が得られる場合があって、発見でした。
結論は、やはり舌と顎の脱力による、喉の脱力と発声の関係ということに集約されます。
脱力というのは、声を抜くという意味ではなく、むしろ声を出す方向を意味します。
お~い!と遠くの人に呼び掛ける時、腹から力を入れても、力んでしわがれ声しか出ない経験はないでしょうか?
ボールを遠くに投げようとする時、肩が力んでいると痛くなるだけで球が飛ばないでしょう。
むしろ腕が勝手に振れるような意識で投げると、遠くに飛ぶと思います。
現在の彼女の発声は、低音時の声の割れを気にするよりも、意識して声を飛ばすことを覚えることで、全て解決するのではないか?と考えています。
低音の割れは、地声と頭声との分離現象が起きていると思っています。
つまり頭声が強すぎるというか、低音への換声点での上側の声が、きちっと当たっていないため、換声点でどっちつかずの喉になり、割れるというイメージです。
逆に低音の地声をそのままぐっと高いとこまで持ち上げる練習をしても良いかもしれません。
次回来た時にトライしてみたいと思います。
曲は、イタリア古典からSe Florindo e fedeleと、グノーのAve Maria2曲を練習しました。
ひたすら声を前に出すことと、舌の脱力ということに及びました。
舌やあごの力みに気を付ければ、明るい通る声になり、かなり改善されます。
ただ、舌やあごの力みは、恐らく本人が発声に必要なために使っているわけですが、その根本原因は、ブレスにあると思われます。
ブレスで息を入れる際に力んでないでしょうか?
腹筋だけですっと少しだけ入れる方法に慣れてみてください。
それだけでも、舌やあごの力みが取れると思います。
YKR
今回は、前回と間が開いておらず、発声のコツを忘れずに来てくれました。
つまり地声を強くし過ぎないで、換声点までの滑らから響きをつなげることです。
今回は、狭母音、特にUを利用した鼻腔の発声を教えることで、芯のある高音発声が出来るように指導しました。
やはり、ハミングから母音へという練習と、母音のUを使いました。
Iも良いですが、軟口蓋が意識しづらいという点があり、Uを使います。
ただ、Uを発声する際に、下顎をなるべく降ろさないで、母音の響きを鼻腔を落すように意識することが大切です。
30分ほどの発声練習で、大分声が通るようになりましたし、高音も以前のような完全にファルセットではない響きが出せるようになりました。
コンコーネは7番と8番を練習しました。
リズムの数え方には注意をしてください。
イタリア古典歌曲集から「アマリッリ」を練習しました。
母音のLuで練習してから、初めてイタリア語でも練習しました。
ほぼ良く歌えていますが、現状の声であればミュージカルでは通用する歌声だと思います。
よりクラシックに向いた声は、特に開口母音(AやO)の母音の響きに気を付けて、更に滑らかに歌えるようになる必要があります。