2017年7月10日の声楽レッスンノート
OM
伴奏合わせだった。
モーツアルトのポントの王ミトリダーテのアリアから。
聴いてみれば、良く歌えている。
声の勢いもあるし、声量もそこそこある。
しかし教官の評価では、全般にアジタートが不十分とのこと。
私が感じたことは、単にテンポがもたついてるとか、食いつきが悪いとか、という表面的なテクニックではなく、
この音楽に集約されている人物の感情描写を、演奏者が充分に感じていないこと。
つまり演技力が不十分ということ、と解釈しました。
そこで、イタリア語の歌詞を役柄の感情を充分にくみ取って語ること、に重きを置きました。
朗読を難しく考えないで、歌詞の内容と音楽から類推した、一つの感情を自分の中に思い浮かべてその通りに歌詞を読んでみること。
そして、歌のリズムに合わせて読んでみる。
彼女は、感情を込めるという演技が苦手なようで、なかなかスイッチが入りませんが、徐々に調子が出てきます。
こういう作業を、習慣づけておくことがとても大切です。
単に歌うだけではなく、言葉を感情をこめて言う、語る、ということの果てに歌という表現方法がある、と思ってください。
歌の形式という面からみると、長いフレーズで最後に高音に昇り詰めるフレーズは、息の配分を良く考えて、最後の高音で最大になるように計画的に呼吸を自覚してください。
また、一息が無理であれば当然、どこでブレスを入れるか?ということが最重要課題になります。