MR
ピアノ伴奏付のレッスンでしたが、伴奏が付くと歌っている姿が良く判り、
発声指導の観点で良い、と感じました。
発声を見ていると、息もれの多い発声であることが良く判ります。
これは、彼女に限ったことではなく、多くの方に見られることです。
以下、確認したことです。
ブレス時に丹田を適度に締めた状態で吸う事。
歌っている間、丹田を緩めない事。
そして歌う時、喉を上げないための下あごの降ろし方と、軟口蓋の高さを確保すること。
この時の口奥の意識は、喉より下が開いている感じです。
このようにして発声して上手く行くと、低音発声で地声にならずに、響きがより出て来ると思います。
後は換声点までこの感覚で響きを当てて、換声点近辺で声が変わりそうになるところで、少し喉を下げるようにします。
この場合は、口を開けるよりも開けない方が上手く行くと思います。
ヘンデルのVadoro pupilleは、音程跳躍で息の力で押し出さないこと。
Piangero la sorte miaでは、メリスマの歌い方でした。
これは、入りの5点Eのフレーズの入りで上から音程を取って入ることです。
上の響きに入れれば、そのままその響きで素早く歌えると思います。
このフレーズは,テンポから言っても一息で歌えるフレーズです。
その他、なるべく一息で歌えるものは一息で歌おう、という努力をすることが、発声に良い影響を及ぼすと思います。
ST
この数か月、換声点の発声の改善に努めてきましたが、ようやく陽の目を見たというところでしょうか。
モーツアルトのVoi che s’apeteは、発声的にはかなり明快に歌えるようになりましたが、それでも
まだ換声点の発声で、逡巡を見せるところがありました。
また、音楽的にもテンポ感のせいでピアノ音楽の緩んでいる感じがしたので、テンポを速めました。
速めることで、換声点近辺で逡巡する隙を与えない、という意味もありました。
つまり、身体で覚えるためには、考え無しに対応すること、という練習方法も必要ということです。
子音を利用してアタックすることも必要です。
子音の発語があいまいだと、それだけで喉が不安定になるからです。
Donne vedeteのDは、舌がしっかりすることで、喉も安定するのです。
また、この曲はリズム感と言葉の明快さが、この曲の表現になりますので、ピアノの右手の16分音符の粒立ちと、
歌の歌詞の語りが乗り遅れない軽快さ、という面に、注意を傾けてもらいました。
プッチーニのジャンニ・スキッキのアリアは、かなり良く歌えるようになっています。
ほとんど言うことはありませんでした。
現在の彼女のベストだと思いました。
この感覚を維持して、本番で自信を以て歌ってください