TSS
コンコーネOP15の12番から始め、ヴェルディのLa zingaraと、ました。
発声ですが、今回は何も言わずにやりましたが、やはり中音域で始めると声量で押してしまうことが良くないのでしょう。
声量で声を出すのではなく、もっと声帯に意識を集中し、微細な響きでいかに密度のある響きを出せるか?という方向性を見つけること。
そこから、滑らかで無理のない換声点の通過ができてくるのではないでしょうか?
すべての始まりは、実は声量の抑制にあるという面を、改めて考えて行きたいと思いました。
それから、やはり基本的に高音の換声点から先はのどを開けていく、ということを改めて指摘したい。
女性は裏声であれば喉を絞めても声が出るので、どうしても最高音を焦ると、喉を開けないで対処してしまいます。
これが、結局は良い声を生まない原因になります。痩せて締まった響きになります。
Donna AnnaのCrudele? Ah no, mio bene!は、楽勝かと思いましたが、かなり苦しそうでした。
やはり、これくらいの音域の曲を限度に、のどを開けて高音発声に対処することを徹底すべきではないでしょうか?
そのためには、中音域で声量を抑えて響きを作ることに意識を開くことです。
AC
発声練習を始めると、強い呼気の影響による発声をしていると思いました。
難しいことは抜きにして、声量を抑えて、と指示しました。
声量を抑えるが、声の響きは密にということ。
つまり呼気漏れのない発声にすることで、良く通る声の響きを目指しました。
これによって、高音への換声点の通過の声も、滑らかに無理がなくなりました。
今回はこの発声をもって、コンコーネのOP50 の1番~7番まで、練習しました。
彼女くらい歌えるようになった場合、何を課題にするか?やりながら思ったことは、
楽譜に書いてある、強弱の指示記号を徹底して守ることと、実際に演奏する場合にどのように扱うか?ということでした。
実際に人が聞いたとき、明らかに強弱の変化がみられるようにするために、書いてある通りにするよりも、急激に行うということは必要でしょう。
それから低音でクレッシェンドがやりにくいときは、声質を明るくしていく方法も教えました。
鼻腔に声を通していく割合を増やすことです。
普通にクレッシェンドしようとすると呼気を強めますが、低音発声では呼気を強めると声が割れてしまいます。
呼気ではなく軟口蓋からハミングする意識を母音発声に混ぜていくような感じになります。
今回、コンコーネを改めて勉強し直したことで、歌声を器楽的に扱うことの意味の大きさを改めて考えさせられました。
楽譜に書いてある表記を守って歌うことで、母音だけの歌声が何かを確かに表現するイメージが出来上がります。
声楽家にとっては、このことがとても大切なことだ、ということを改めて考える良いきっかけになりました。
TNA
発声の声は、現時点の彼女の水準としては特に言うべきことがない出来でした。
安定して高音までおよそ2オクターブをきれいに発声出来るようになりました。
ドビュッシー「星の夜」
喉を落とすために、発音が不明瞭になる点を指摘して修正しました。
喉を低くすると声量が出るが、暗く発音が不明瞭になる。
軟口蓋を上げるために口角を上げると、明るく明瞭な発音になるが、薄っぺらい声になる。
という両方の要素をバランスして、良い歌声になるように。
トスティ「暁は光から」
これも、良い声量で歌えていますが、やはり発音が不明瞭になります。
重心は低くてよいですから、発音を明瞭に歌いましょう。
曲想とは関係なく、歌詞を明るく歌おうとすること、そのために発音するようにする意識を持ってください。
カルメンのミカエラのアリアは、ほぼ良い出来上がりです。
れしたティーヴォは、もう少しこれも明快に発音することで、意味がよく通るレシタティーヴォになるでしょう。