SMM
発声練習の声ですが、以前の地声の強い癖がだいぶ抜けてきました。
ただ、声量を出そうとすると出てきます。
恐らく、抜いた声を日常的に使って歌っていたのだとすると、そちらの方が地声と裏声との声区の段差が大きくなった原因ではないか?と思われます。
相当意識しないと、ミックスした中音域の発声は身につかないでしょう。
意識されたピッチの高さとブレス、そして姿勢の3拍子で身に付きます。
この声は、決して声量のある暑苦しい声なのではなく、響く声であり、楽器と同じです。
リュートですらそれなりに良く響くわけですから、声も響かせるという技術は楽器と共に対応すべきなのです。
発声をよく覚えておいて、損はないと思います。
イタリア歌曲のDimmi amorは、高音の声の張りは大切にしたほうが良いと思います。
そしてダウランドは、マイクを使わないと低音の声が聞こえなくなるので、低音の声をピッチの高さを意識することで、息漏れを防いで通る声になることを教えました。
低音の発声は、顎を良く引いて顔の位置が前に出ないように注意することが、低音発声のコツです。
マイクを使わない声、というのは、イコールオペラ発声などではありません。
小さな声だとしても、響く声というのはあるのです。
いわゆる、古楽などで言われている発声は、その点を良く追及しています。
古楽でビブラートがない、といわれるのは、息を関与させる仕方が違うために、意識して気にビブラートが消えた歌い方になる、ということは言えるでしょう。
つまり息の力を借りるか?借りないか?の違いは、声量の出し方と関係があるということになります。
ただ、小さな声でも息漏れのある声は、マイクを使わないと通らないので、結果的に「聞こえない声」になってしまいます。
聞こえないと、音楽が成立しませんので、これは表現以前の問題になる、ということをどうか理解して、声楽発声を学んで行ってください。