EM

発声練習を少し長めにやりましたが、やや喉が高い声で、力みがないと言えばないですが、いつもと違う感じがしました。

シューマンの「詩人の恋」の8番目から4曲ほど練習しましたが、それぞれ、母音だけで練習をし、リズムと音程の間違いなどを、徹底してさらいました。
8番のUnd wussen die blumen die kleineは、伴奏が32分音符の細かい刻みであり、歌のリズム感が
大切になります。ちょっとしたことですが、フレーズ終わりを16分休符で切って、16分音符で始めるところなど、
正確にやってもらいたいのです。
9番のDas ise ein Floten und Geigenなどは、3拍子ですが1つ振りのリズム感を大切にすることで、民謡っぽさが良く出て良い感じになります。

10番は、メッザヴォーチェですが、あまり意識しないで声のポジションを大切にすることです。弱くすると息漏れが出てしまう声は良くないのです。息漏れが出ないためにも、最低限の響きを確保するように歌って下さい。
11番Ein junglingliebt ein madchenは、声の響きも良くなり、リズム感もこなれてきました。Junglingの歌詞中で
ポルタメントがかかるのが、少し気になると言えばなりますが、別に悪いことではないと思います。
男っぽさ、というセンスで言えばポルタメントが付かない方が良い場所、と感じました。

譜読みですが、CDなどを聴いて覚えると、意外とちょっとした間違いを信じこんで、慣れてしまうので注意が必要です。
CDでメロディを覚えるのであれば、なるべく楽譜を見て聴いた方が良いでしょう。

AS

山田耕筰の「曼珠沙華」から始めました。
キーを低くしていましたが、彼女はなかなか味のある歌を歌ってくれました。
基本的に日本語の語感が良いのだと思います。
歌詞と彼女の感情の発露とメロディを歌うバランスがぴったり来ました。

あえて言うとすれば、「ごん~しゃん~」と、歌う「~」の部分は「ん」であり、いわば口を開けたハミングになります。これが、キーが低いせいなのか響き難いため、気を付けないとそこだけ途切れて聞こえてしまいます。
意識して鼻腔に響かせて、声が通るようにしてください。
この曲はオリジナルの高いキーでも歌えると思いますが、彼女の調子に合わせましょう。

ドナウディのO del mio amato benは、高音発声がメインの課題となりました。2点Eくらいから上の領域では、
極力喉が上がって、音程が上ずらないように注意して下さい。
少し唾を飲み込むような喉の感じにしてみると、喉が上がらずにコンパクトに高音の響きが決まるポイントが見つかるでしょう。そういう感覚から高音発声を伸ばして行きましょう。発音も関係すると思います。

そして、カルメンのSeguidilleは、冒頭1ページのテーマを歌う声の扱いに要注意です。
常にですし、基本のことですが、歌曲と違ってオペラアリアは、歌詞と語感で歌うよりも、
メロディの音楽と声そのものの持つキャラクターで歌います。
そのため、このカルメンの深みのある色気の立つ声が出せなければ意味がありません。
歌詞がはっきり出るよりも大切なことなのです。

TK

今日もプッチーニのアリア3曲の声を、端からみっちり見て行きました。
とはいっても、ほとんど中音域の声のポジションの取り方を見ただけです。
変わったことは何もないですが、ちょっとした発音の仕方とブレス時の喉の開き具合などの注意で声がぐんと変わります。
その微細な声の違いを正すのみです。

一言で言えば、力まないこと、丁寧に声を扱うこと、です。
そして、発音のために労力を割かないで、喉奥を開けたまま歌詞発音するように、発声することで、喉の開いた
響きの大きい声に自然になる、ということです。

最初にO mio Babbino caroから。
これは、Mi piacer Belloの高音、2点Asの響きを、前に出さないで唇でかぶせるように開けて、奥で響かせる方が
軽やかで美しい声の響きになります。
中低音は、なるべく喉を開いた発音、発声で綺麗に歌うことを大切にしてください。
最後のO dioと2点Fで伸ばす声は、そっと声を入れてクレッシェンドして下さい。

ムゼッタのワルツは、Quandoの声のポジションが高くなり過ぎないように、喉が上がり過ぎないよう良く開けて出して下さい。そしてQuaという子音Q+uaの二重母音の発音で、声を下からずり上げて出す傾向がありますが、これは良くないので気をつけましょう。
最後に「私の名はミミ」最初の1ページの声の響きはとても良く、彼女としては厚みのある中音域の声と中高音の声になっていました。その点で、全体に良くなりましたが、やはり最後のレシタティーヴォの声の響きに気を付けて下さい。
母音の扱いとして、もっと口奥を開けたまま発音発声して下さい、明快に発音しようとすると、喉が締まって子供っぽい声の響きになりますので。先ず確実にそれが出来るまでゆっくり歌う練習をしてください。