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今日のレッスン生、ヴァッカイというイタリアの古い声楽教則本を持ってきました。
この練習曲は、すべてイタリア語の歌詞がついており、イタリア語による音楽の扱い方を勉強するのにうってつけです。
当然、音楽も18世紀~19世紀の典型的なイタリアンスタイルです。
ブリリアント!とか、元気さとか、英雄的な、というような歯切れのよいリズム感と共にイタリア語の美しいアクセントによる抑揚の大きな音楽です。
我々日本人が、古典的な声楽作品を学ぶときに、もっとも難しい部分ではないでしょうか?
まずイタリア語のアクセントとそれによって生じるフレーズを読む際の抑揚を、よく聞かせるように歌うこと。
あるいは音楽的なリズム感、あるいは修飾音符の扱い方などなど、徹底して練習することです。
読む練習をしっかりしてから、歌うことに習熟する、という順番を徹底してください。
アリアは、モーツアルトの「ポンテの王ミトリダーテ」を練習しました。
やはり彼女の6点Cは、綺麗に当たって良い響きだと思います。
発声の課題で残るのは、5点Fの換声点、そして換声点から上にかけてです。
ここで喉を素直に上げてしまう傾向です。
これが、換声点通過を上手く聞かせられない原因です。
軽く歌おうとするので、音程も悪くないですし、嫌な声ではないが、子供っぽい声になる原因は、この換声点の発声です。
この声の傾向を修正する意思や必要性を感じない限りは、なかなか修正出来ないでしょう。
「必要は発明の母」と古来から言われてきた所以です。