SK
発声練習では、慎重に母音のAから始めました。
彼女の課題は中低音での胸声と頭声のミックスです。
ほどよいポイントが見つかれば、と思ってハミングも含めて練習しましたが、
以前にくらべて、母音Iでのひび割れがかなり軽減していました。
また、母音のAであれば、ほぼ問題ないレベルでミックス出来てきています。
やはり高音の換声点での換声の仕方には注意が必要と思います。
声を変えないで5点Gに向けて進んで行くためには、喉奥を拡げるようにして声を吐き出す方法です。
これでも、その上の5点A以降は自然に換声するでしょう。
そこまでは我慢していくべきだと思います。
このようにして、声区の統一、声質の一致が出来ていきますので、より音楽的な発声になるわけです。
気をつけてほしいのは、中音域で喉が高すぎないようにすること。
響きを高く集めるあまりに喉が高い発声になると、浅く平べったい声になります。
口をなるべく丸く、あるいは縦に、あるいは唇を反らすような母音発声を心掛けてください。
シューベルトのZulaikaは、この中音域の発声がとても大切なので、声質とピッチに十分気をつけて慎重に声を扱って練習してください。
