ST

通い出してから満六年今年で足かけ7年になるが、ようやく発声の基本が身に付いたことがはっきりしたレッスンだった。

発声練習では、母音のAが良いフォームになり、声の倍音が前に出つつも深い響きになっていた。

低音発声も、以前に比べて地声にならないし、地声との声区の段差に悩まずに対処できている。

トスティーの「セレナータ」から。
前回指摘して修正した、開放的に声を扱うことが再現できていた。
同時に、懸案だった換声点直前の難しい発声もクリアできて、ほぼ良い音程感で歌えるようになっていたことが、大きな進歩。

後は、この解放的に歌う事を基本にした上で、Dolceという表現や、PやPPを意識して行くことを練習した。
いずれも、表現によることなので、ただ声を小さくするのではなく、なぜ小さくするのか?という意味を考えて歌う事が大事である。

Invanoを譜読みした。
こちらは、練習がすくない状態だが、すでに換声点直前の音域の安定度、響き、音程共に合格圏内であったことが喜ばしい。
ソプラノらしい良い声になっってきた。

SM

以前と比べても、発声練習における中低音の響きの厚みは増したのではないか?
声量もかなりアップしている。
ただ、声量を上げるために舌根で喉を押し下げる傾向にあるため声に厚みと深みがある、という印象。
これが、低音発声の通りを悪くする原因にもなっているので喉自体を深くしないほうが良い。

あるいはもっとハミングを利用して顔面に響きを集める練習をすべきだろう。
そのことで、舌は自然に喉を押し下げない方向に働くはずである。

ショーソンのLe colibriから練習を始めた。
全体に良く歌えているが、強弱のニュアンスをより明快にしてもらった。

En pressant peu a peuの徐々にテンポを速くしていく箇所に留意してほしい。

また、特にコーダに向かう転換のところの、Il meurtのロングトーンの声は、この曲で一番の聞かせどころである。
明るい声をメッツァヴォ―チェで歌う事である。
口の中の開け方に工夫が要る。
軟口蓋をしっかり上げて、喉も上がらないように。
そのことで、声帯が締まらないような状態で、meur息のアタックを強めに発声することで、弦楽器的な声ではなく笛のような共鳴のある響きが得られれば理想である。

Le temps des Lilas
これは、中間部のリズムを早くし過ぎないで確実なリズム感を出すこと。
また前後のテーマも、低音発声に十分留意して、喉を掘らないで前に響く低音発声を見つけてほしい。

Les papillonsは、3曲中ではもっともよく歌えている。
レガートを意識しないで、シラブル、つまり1音符毎のリズム感を明快にした歌い方が、この曲には合っていると思う。