声楽レッスンルーム

AC

プーランクのプログラムでRosemondeを徹底練習をした。
この曲、艶めかしい内容とアムステルダムという街へのノスタルジーがこめられている。
そのため、プーランクが書いたメロディの基本は、滑らかにレガートで歌う事が必要になる。
メロディを歌うとき、特に跳躍する際に、高音側の響きが突出しないように歌うことが大事だ。そう歌うことで、自然に色気が出てくるからである。

Long tempsのTemps、Au piedsのPiedsの部分La maisonのLa。。

それと、低音に関しては特にAh Amsterdamのところだけは、響きを落として地声で歌う方がリアリティが出て良いと思う。

Un jour pendant plus de deux heures,ここに限らずだが、ファルセットにならないような弱声発声を覚えると良いだろう。
そのことで、中低音や高音への換声の処理がシームレスになることが分かるはずである。
平たく書けば、なるべく喉そのものを意識することと、息漏れを極力なくして声を出し始める意識が重要になる。
喉奥をしっかり閉じると同時に、軟口蓋を良く高くすること。

フランス語の発音で気を付けるのは、鼻母音でNがつかないようにすること。
HeuresのOEの発音。口を縦に良く開けた発音にすべき。
ただし鼻腔の響きを落とさないように。

バッハのカンタータ78番の二重唱を練習。
低音側なので、ピッチに注意。
一般に声を前に出し過ぎると、ソロなら良いが二重唱になるとピッチが合い難くなり、ハモらない二重唱になりがちだからである。
声のオーラを落とさないで弱声にするためには、口奥を広く大きくするように発音・発声し、息をその空間で反射し転がすようなイメージで歌う事。
そうすると声質が柔らかくなるが、声の力は落ちない。
特に中低音で注意をしてほしい。

AY

久しぶりだったが、発声練習をじっくりやればやるほど声の調子が上がるところは、以前と変わらない。
声質も変化なく、良い調子であった。

プーランクのシャンソン「海へ続く小道」を練習した。
現状としては、まず譜読みが終わった段階。
フランス語の読みを復活させ、良く読んでもらって、自信を以て歌えば声は結果的についてくるだろうと思う。

国歌「君が代」を練習。
最高音が5点Gを最高に、最終的にはハ長調の5点Dを最高音するキーまで3種類で練習した。
ハ長調は、微妙に低い感じ。
最高音が5点Eになるのが、ちょうど良いだろう。

EK

風邪をひいて喉の調子を落としたとのことで、発声練習に時間を取った。
いろいろ練習してみて、今更ながら気づいたのだが、ハミングから母音に変換する練習をすると、母音で妙にくぐもった声の出方になる。
どうも舌が悪さをしているようであるが、本人でないとどうい舌の感覚なのか?分からない。

ただ舌に独特の力の入れ方をしているのがわかる。
また、ハミングから母音に転換する瞬間に、顎というか顔を微妙に前に出す癖がある。
これも、喉の使い方の一つの癖であろう。

風邪で喉に来る点を考えると、発声が喉に負担になっている点はあるかもしれない。
特に換声点以降の発声で喉を絞める傾向があるからである。

喉を開けることとか、喉を緩めるという点、特に5点Gから上の領域では、相当意識してみる価値はありそうだ。

グノーのオペラ「ミレイユ」のアリアは、声の不調に関わらず、歌い通せていたが、最高音域は厳しい状態だった。
喉の締まりには、以前に教えたようにもう少し意識を以て対処してほしい。

バッハのBWV78の二重唱の練習をした。
こちらは音域が低めなので、楽に歌い通せた。
声の芯を明快に前に出さないで、口奥を広く開け、息で声を口奥で回すようなイメージで発声すると、柔らかい少しくぐもった声になるが、ピッチが良い。
この声で合わせると、ハモリやすいのではないか?