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発声練習は主に低音発声になった。
喉頭直下に共鳴腔があるイメージで発声をすると、良い低音の声が聴かれるようになってきた。
だが、多分相当意識しないと出せないのだろう。
恐らく、喉周辺に力みが出ると思うが、まったく力まないで共鳴を作るのは無理であろう。
ある程度の力みは想定内で、いろいろ試してみないと、共鳴の効果は判らないはずである。

どうして共鳴が大事か?というと、生声が直に出ると低音はガラガラしてあまり美しい響きとは言えないこと。
また、直に生声を出すと効率が良くない。つまり発声のエネルギーに比して声が響かないからである。
共鳴があることで、大して声量がなくても良く響く声になる傾向が生じるからである。

曲の練習はフォーレの歌曲4曲の冒頭のテーマだけを練習した。

1曲目の「夢のあとに」
入りのDansは深い響きで良い。
SommeilのSoは、良く喉を開けてこれも共鳴を生じさせるために息を発音する力に比して使うべき。
具体的には弦楽器的に声帯を合わせようとするのではなく、少し開いたイメージで息の流速で響きを自然に出す感じである。
つまり管楽器的な発想でフルート系であろう。

Ardent mirageのMirageのAの響きはクレッシェンドの頂点で、口を縦に開けて喉を開けて深い響きを出してほしい。

2曲目の「9月の森の中で」
伴奏の和音の中に入るのが、バリトンの声、ということ。
特にこの曲は、この落ち着いた静かで深みのある声で歌うことが重要。
Rumeurのeurはoeの発音で、これは絶対に狭く発声しないこと。広い開母音である。
日本人の場合、OよりもAでEを混ぜる感じが適切だ。

3曲目「マンドリン」
オリジナルキー。
これもDonneurの語尾のoeの発音を狭くしないこと。
Chanteuseの語尾の狭いoeの発音丸に斜め線の発音記号だ。
これも息の共鳴で歌う方が流れやすいが、難しかったら鼻腔で集めた発声も良い。
ただ、喉を余計に下げるとこもった響きになりピッチが下がり暗い表現になる点に気を付けてほしい。喉をあまり開かなくて良いのである。
声が鼻腔に入れば良い感じ。

最後の「ネル」
これもオリジナルキーだが、clair soleilの語尾の半母音は語尾にあいまい母音が付かないように。
またクレッシェンドするが、鋭い響きではなく、やはり開いた喉で共鳴感のある高音発声が望ましい。