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発声は声を温めることと、2点Eくらいから上で喉が上がらないようにするために、Iの母音で
唇を突き出すようにする発声を練習しました。

サティの3つの歌曲1886年版を2曲目から練習しました。
どの曲も同じことは、このところずっとやっている、2点Dくらいから上の声の発声です。
音程を意識しすぎて、喉の高い締まった響きになってしまうことです。
それでも、無理な声を出さないのですが、それでも細すぎてしまいます。

響きが痩せて感じますので、もう少し太い響きの共鳴があると良いのです。
Vetuなどの狭いEの母音は、Iに近く発音する人も多いですが、これは唇をもっと使わなければいけません。
それは、単に母音の形としてよりも、唇を突き出すように使うことで、喉が上がらないからです。
喉が開くわけです。

これは、唇だけではなく、良いタイミングで下顎を充分降ろした発声も効果的です。
AやOなどの開口母音は、この下顎を降ろす方がやりやすいですね。
ただ、唇の意識は常に持った方が良いでしょう。
その方が声に共鳴が付き易い面もあるからです。

そういう声で歌うと、この5線の上の方の声が、喉が締まらないために、落ち着いて聞ける歌声になります。
そういう声を常に意識してほしい曲なのです。
Pなどと書いてある所で、声量を抑え過ぎると自然に喉が上がりますから、適度に声を出す意識を持った方が良いです。

また、ちょっとした音程上昇で音程を喉で取らないことが大切です。
喉で取る、と言う意味は、音程を素直に追ってしまう歌いかたです。
3度~5度くらいの跳躍で、特に中低音域は、この音程を追ってしまうと、喉が上がって響きが変わってしまいます。
これもレガートな歌唱を妨げる要因になります。
ポルタメントを付けるようにして歌ってみると良いでしょう。
慣れるとポルタメントを意識しなくても、レガートに音程跳躍を歌えるようになります。