AC

発声練習では、中間換声点で急に声質が変わる点を指摘して修正してもらった。
例えば母音のAで発声練習を半音ずつ上がって行くと、5点A~b辺りから、あいまい母音のような響きに変わっていく。
これが無意識だとすると、恐らく喉を舌で下げているため響きがこもるのではないか?と思われた。

修正方法としては、単純になるべく声質を変えないように注意して中間換声点を通過すること、とした。
これは問題なく出来た。
高音への換声点は、全く問題ないと思った。
ト音記号の5線の中は、声をなるべく変えないように上下することは、発声上の素朴な原理だと思ってよいのではないだろうか?

曲は、プーランクの「アポリネールの4つの詩」であった。

1曲目の「うなぎ」は、典型的なシャンソン風でありカフェコンセール風である。(キャバレーで歌われる、少々お笑い要素のある下品な歌)
ただ、プーランクはこのスタイルをあくまでスタイルとして借用しているだけで、歌い方は上品に丁寧にと考えていた節があるようだ。
プーランク作品実演時の、良きパートナー歌手であったベルナックもそのように解説していたはずである。

そこでレガートに歌うことや音程や声質を、声楽的にきちっとまとめて行くように練習をした。
ゆっくり歌うことで、そのような細かい点に意を注ぐように。
他の2曲も、同じ方法で細かくゆっくりのテンポで練習をした。

まだやってないが、最後の「1904」は、譜読みも大事だが、歌詞をしっかり読みこんでおいてほしい。
最終的にかなりな早口で歌うことになるからだ。