SM
発声練習は軽く喉を温める程度で、すぐに歌の練習に入った。
伴奏付きである。
最初にフォーレの歌曲、「マンドリン」「ひそやかに」を練習。
「マンドリン」は、テンポ感が急いでいる感じがしたので、少しゆっくりと。
少しだけのんびりした方が詩的な雰囲気が出てくると思った。
「ひそやかに」これもテンポが前のめりで進め進めで、気が付いたら終わっていたという感想になった。
ただ、発声とブレスの関係もあって、息がきちっと入らないでメロディを口先で歌ってしまう傾向があるために、
フレーズが短くなってしまい、それに合わせてピアノもIn tempo一辺倒で、全体が前のめりになってしまうようであった。
この音符の扱い、特にリズム感とブレスの関係は根深いので、先ずはしっかりブレスを入れること。
とはいっても、短いブレスという意味は前のフレーズがしっかり伸ばされていて初めて短くなるという必然性があってのこと。
フランス近代音楽だ、フォーレだ、とはいっても基本は大切である。
きちっとした拍節が奥底にあった上で、流れるメロディということは言えるであろう。
ホフマン物語のアントニアのアリア「キジバトは逃げ去った」
5点#が喉が上がってしまうと、その後の高音が苦しくなってしまう。
ここはちょうど換声点なので、喉頭蓋で喉を押し下げるようにしておいて発声すると高音に上がりやすいはず。
実際の声はこもって詰まる感じがあるが、それでよいのである。
むしろ開いた声でやろうとすると、胸声が強く出て叫んでしまうだろう。
難しいことを要求したが、基本の拍節を大切にしてブレスを大事に声をしっかりみぞおちから出して歌うことが先ず大事だと思う。
弱声は、そのことが身についてから応用編として技術を身に着けてほしい。