SA
伴奏付きで、本番前最後のレッスンとなりました。
このサティの3つの歌曲は、瞑想的でありながら、微妙に調子の違う3曲のシンプルでデリケートな音楽が素晴らしいです。
1曲目は、伴奏の前奏が素晴らしいので、なるべくその調子を壊さないテンポ感を大切に歌って下さい。
この曲も、オクターブの下降フレーズは、お腹を緩めないように気を付けてください。
音程の下降で、無意識にお腹が緩んでしまうようです。
これが、声の響きを落としてしまう原因です。
2曲目、3曲目と、下降フレーズの響きの維持と共に、やはり2点Eから上の声で、喉を締めないように、
下顎を良く降ろした発声、発音を極力心がけて下さい。
そして、3曲目は、特にフレーズの切り方に注意して下さい。リズム感に直結しますので、8分音符で切っているフレーズを
楽譜通りに感じて歌って下さい。
フランス語の発音はかなり綺麗になったと思います。元々の語学力もあるせいか、子音の処理は綺麗です。
本番は、なるべくこの発声に集中して下さい。
特に1番の出だしのVetusのEの2点Eの響きを、頭だけで出さないで、喉を降ろして、喉を開いて出す意識を持つことが、
決め手になるのです。
YT
この1年で、発声をかなり覚えてくれました。今回のレッスンでの実感です。
特に高音発声、あるいは中高音のチェンジ近辺の処理が上手くなったと思います。
高音発声のために、ある程度テノーラルな発声も覚えたわけで、その意味でのこの
1年あまりでしたが、最後の最後に、バリトンの響きを追求しだしたところ。
これが、まだ緒に就いたところなので、完全には行きません。
下顎と喉の深さの具合をどう作って行くか?力み過ぎても良くないですが、
自然さに任せていると、鼻腔共鳴だけの頭声だけの中音域の声になり、テノーラルです。
下顎を使った母音の深さや響きを意識した、歌詞の発音から、バリトンらしい声を追求して下さい。
声も歌うに連れて温まれば、更にこの発声は意識が拡がるでしょう。
今日も、Per pieta bel’idol mioから、バリトンの声が出始めました。
少しぎこちないですが、前回に引き続いて、低音~中音の厚み、拡がり感が出て来ました。
言葉で書くのは難しいですが、本人が一番判ると思います。
声を出そうとすると、喉が締まりますので、基本は、喉が締まらないようにすることと、
発音の母音の深さと広がりが、子音発声で切れないように、喉を開いた状態をなるべく維持することです。