TM

I母音の発声で始めてから、同度でIEAOUを練習。
最初から中高音でも喉が高くならない落ち着いた声が出せるようになっていた。
特に同度でIEAOUを歌うときにEやAの響きがとても良かった。

彼が自然にしゃべる喋り声のポイントや響きから考えると、やはりこの喉で歌う歌声がしっくりくる。
課題としては、この声を出すために、声量を出す感覚が強いと思うが、そこをコントロール出来る感覚を養うことが課題と言えるだろう。

武満のLa neige、ドビュッシーのBeau soirを練習して、歌声のことを実感した。
最後の武満の「小さな空」で、シンプルに声を抑制する方法を考えた。
それは歌詞の朗読をするときに、感情を出さないでむしろ虚脱したようなイメージで語ってみることであった。
そのままの感覚で歌うと、喉のポイントはそのままで声量や声質が良いポイントに収まった感じがしたのである。

曲にもよるし、オペラアリアと歌曲では違うと思うが、歌の原点はやはり「語り」に発しているということではないだろうか？