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発声練習は、いつものように下降形5度スケールから始め、上行形アルペジオ、上行形5度スケール

に加えて
オクターブのアルペジョで4点A♭までだったか。
全体に発声の声は安定したポジションで歌えている。

フォーレ「月の光」

3回通したのは、1回目の声が軽く、2回目を重くし、再度軽くとして、後でこの録音を聴いてどれが良いと思ったか?
彼がこの曲を、このオリジナルキーで歌う場合は、彼の感じる重い声の方が良いと思った。
このメロディを男性がフランス語で歌った場合に、それがもっとも自然だと感じるからである。

あるいはマイクを使って違う楽器による伴宗であれば、また違ってくる可能性はあるだろう。

同じくフォーレの「夜想曲」

元々のキーが低めなので、声の重さよりも歌い方に課題を設けた。
一つは音符の並びを端正にきちっと歌うことと、フレーズを平らかに真っすぐに歌うイメージである。

畑中良輔の「花林(まるめろ)」

は、自然な歌声がピッタリで違和感がなかった。
後の曲でやったことだが、この曲も単語の語頭をはっきり歌う方が、歌詞の語感が明快になると思う。

中田喜直「ほしとたんぽぽ」

前述のように歌声と歌詞の関係は良かった。歌声が自然で嫌みがない。
ちょっと童謡調でありながら、うまく芸術歌曲の体裁を整えているところが、中田作品の良さと感じた。
前述のように、これも歌詞の語頭を明快に意識して歌うと、歌詞の語り口が明快になって良いと思う。

同じく「さくら横丁」

2小節単位ではなく、4小節1フレーズのテンポ感の方が良いと思えた。
練習を繰り返したのは、「花でも見よう~」のフレーズ。
Mfで「見よう」は、良く響く良い声を出して、その後の下降形のメリスマは支えをしっかりしたきれいな頭声で音程感を正しく半音階を聞かせられるように。

最後の

團伊久磨の「紫陽花」

特に歌詞を読み込む必要のある表現方法を考える歌曲というより、歌声の華やかさを気持ちよく披露するようなスタイルが良いのであろう。
どこか作曲家自身の想入れを感じる曲である、と感じたからである。