TM
発声練習
おおよそ1オクターブ半の声質が安定してバランスが良かった。
換声点の発声が4点Gまでアペルトで自然な歌声であること。
中低音の声が適度に明るく不要に引っ込んでない印象が残ったことも好印象を残した。
フランスのバリトンマルタンとしての基準を満たしていると思う。
歌曲発声として具合が良いだろう。
それは自然な歌声になるからである。
千原英喜「はっか草」
日本語のリズム感よりもメロディラインの歌う気持ち良さを優先した書法になっている。
そのため、歌を気持ちよく歌うと何を言っているか?判らなくなる傾向になるだろう。
改めて日本語としてのセンテンスを意識して歌う方が、演奏としてはインテリジェンスの高い演奏になると思われた。
それは、メロディの性格が日本的にウエットであることに対して良いバランスを取るという意味である。
理由としては、恐らくオリジナルが合唱曲なのではないか?という類推による。
高田三郎「くちなし」
この曲もウエットな質を持った日本歌曲。
中低音が多い音域は、声がこもらないように必要以上に歌詞の意味に拘泥しないで明るく歌う方がさっぱりして良いと感じた。
中間部の父親の語り部分は、自由に歌ってよいだろう。レチタティーヴォのような感じだろう。
フォーレ「蝶と花」
歌詞の内容を軽やかに歌うという選択を考えたのだが、意識して軽い声で歌うと何だかC調になってしまうので、普通にバリトンラシク歌う方が良いと提案。
何であれ、良い声で歌うということは声楽の基本であると実感。
フレンチはやはりフレンチの食材と料理法でオリジナリティを守る味が王道である、という話をした。
テンポの設定を決めた。