TH

発声練習

下降形から始めて母音Aで5度スケールに映った。
5点C辺りからすでに声が返ってしまう傾向。
これを治すため、I母音に替えて上行形の練習。
途中から同度でIEAの練習で、小換声点での返りが生じないように練習。
その後、Jaで上行形のオクターブのアルペジオを練習した。

フィガロの結婚 伯爵夫人のアリア「楽しい想い出はどこに」

1回通したが、大変良く歌えていた。
良い意味で声の重さとポジションの低さなどが、声質をノーブルにして声楽らしい歌声になった。

チレア「アドリアーナ・ルクヴルール」から「私はつつましいしもべです」

これも現状の彼女の発声で最も良い面が出せるアリアである。
作品が持っている表現力を、そのまま歌声に反映させることが出来ている。 

ヴェルディ「椿姫」「そはかの人か、花から花へ」

長丁場でメリスマと高音頻出のこの作品は、さすがに難しい。
喉を上げないように、ということ自体は必要だが、ついつい永続的に行い過ぎること。
例えば、歌い出しの中高音域から低く取ると、最高音域が重くなり過ぎてしまう。
1回通すだけなら何とか持つが、2回目は無理、となる。

或いはフィナーレの16分音符で構成される短いメリスマの繰り返し。
これが音階的に上昇するフレーズは、ただ歌うだけだと嫌出も喉が上がる。
強拍のアタックを強くすることで、結果的に喉を上げない発声になる。
というような細かい技も考えなくてはならない。

重く出すべきところと軽く出すべきところを見極めなければならない。
それは、高音を喉を上げずに歌うために必要なことでもある。
つまり、喉を持たせるためともいえるだろう。

総合的にはブレスの腹筋と喉の準備が合致した、良いブレスであること。

これは入る息の量ではなく、喉の準備として必要であること。
そのため、フレーズを歌いきって息が苦しい状態を絶対に避けること。
そのために、無理に長いフレーズを一息で歌わない事。
なぜか?
それは苦しいブレスをすると、横隔膜が働かずに喉の準備が出来ずに歌ってしまうからである。
これをやると、その後に延々と調子を崩す原因となる。