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発声練習

今回は趣向を変えて低音から高音まで、ピッチを高く取る発声を課題とした。
ツイッターにも書いた通り、意識的にピッチの高さを取ることで、逆に喉の下がりを促すということ。
このやり方は、以前とは全く反対のやり方だが、以前の重心を低く意識することが出来る結果としての方法である。
間違っても真逆のやり方とは捉えないでいただきたい。

例えばドミソという音型ならば、最高音のソを明快に高く意識すること。
そしてその伏線として、低音のドはドミソのソあるいはオクターブ上のドを意識して出す事。
という方法である。

もう一点は、下降形である。
どうしても4点Fから下に降りる際に、声に引っ掛かりが出てくる。
つまり地声っぽさが残っているということ。
感覚的なことだが、ピッチを高めに徹底して降りること。
自分の耳には音程が上ずっているくらいでちょうど良い、と思ってみること。
これを特に4点F以上の音域から4点F以下の音域に降りる際である。
4点F以下の音域を出す際には、徹底して気を付けてほしい。

今回の歌のレッスンは、この発声方法に限って徹底した。

イタリア古典歌曲集から「すみれ」

フレーズの入りで音程そのものを意識しない事。
オクターブ上や3度5度上の音程を意識して出ること。
この点を気を付ければ、高音への跳躍も上手くはまるだろう。

モーツアルト「ドン・ジョヴァンニ」からエルヴィーラのアリア「あの人でなしは私を欺き」

レチタティーヴォは、前半の長く歌詞発音が難しい部分を滑らかに素早く語れるまで練習。
アリアは前半は概ね声の問題は解決出来ている。
後半は、高音のメリスマなど連続して喉が疲れてくる。

練習途中、一瞬確認したのはハミングで響かせるために緊張が生じる場所を意識すること。
その場所は軟口蓋である。
軟口蓋に響かせるようにすることで、声は前に出ずに後ろを回るように感じられるはず。
この曲の最高音へのフレーズはこの点を良く練習すると良いだろう。
また、前述のようにフレーズの入りで音程そのものを狙わないで倍音を狙うこと。
同様に低音に降りる時も該当音をしっかり出さないで上をすべるくらいに意識すること。