MMH
発声練習
発声をメッザヴォーチェで行う丁寧な歌い方は中高音までは良い。
換声点を過ぎる通過点の5点F前後も滑らかに出来てクリア出来ている。
後は、5点Aから始まる更に高い音域のために、喉を少し下げることが出来るように。
中田喜直「さくら横ちょう」
伴奏合わせだった。
1回目はテンポが遅いので、楽譜記載通り付点二分音符で45とした。
つまり1フレーズを軽快に一続きで歌えるテンポになる。
後半の長いメリスマのあるフレーズはクリア出来ていた。
後は楽譜に記載のない、ニュアンスの変わる部分の微妙なテンポ変化をアンサンブル出来るように。
ドビュッシー「都に雨の降るごとく」
伴奏が音楽的でとても美しかった。
歌は概ね大過なく歌えていた。
あえて喉の開きをもう少し、と促した。
胸の共鳴があるほうが、声と伴奏との和音感や声質の深みが出てこの曲に相応しいと思った。
また彼女の声にはその方が合っていると感じられたからである。
これは「さくら横ちょう」でも感じたことである。
フランス語発音で、特にPleureやCoeurなどのOEの発音である。
下あごを降ろして縦に発音してほしいと感じた。
ST
発声練習
下降形5度スケール、上行形5度アルペジオ、上行形5度スケールを練習。
今日は換声点の通過がスムーズで音程感の良いすっきりした声だった。
イタリア古典歌曲集から「菫」
第一に明るく高い響きとピッチの良い声で、とても良かった。
声の当たり具合が高く前に響いており、この曲の表現に相応しい。
モーツアルト「ドン・ジョヴァンニ」より「あの恩知らずは私を裏切った」
発声に苦労したが、最後の最後に目標地点に到達できたと思える歌声であった。
最初の通しでも全体に格上げだったが、最後のメリスマあたりで少し慎重に過ぎた。
この点を取っ払って、思い切りよく歌ってもらって良い結果であった。
まだ発声として完全というわけではないが、これまでの発声の課題を一段乗り越えた点で意義のある進歩である。
HA
発声練習
中低音を薄く、換声点辺りから上を少し厚く出すことで、高音の声が綺麗に響く発声を会得している。
非常に理に適っているので、更に5点hから上をどうしていくか?
高いコロラトゥーラ音域への換声を覚えればコロラトゥーラのレパートリーを手に出来る可能性を持っている。
イタリア古典歌曲集「ニーナ」
非常にきれいな声の響きを発揮していた。
曲の最後のフレーズでピアノ伴奏とのテンポのすり合わせを調整。
女性らしい抒情のある歌で良かった。
ヘンデル オペラ「アルチーナ」より「ああ私の心である人よ」
これも大変に良く歌えている。
テンポの設定を伴奏との関係ですり合わせ。
モーツアルト「ドン・ジョヴァンニ」から「あの恩知らずは約束を破って」
アリアのみの演奏になる。
彼女の歌唱スタイルが生きた女性らしい優しが垣間見える演奏であった。
その点では、もう少し力強さというか怒りの表現が歌声に感じられれば理想的と想う。