AC

発声練習

5点Cからチェンジしやすい声を、なるべくチェンジしないように。
5点Fくらいまで気を付ける方向を意識すると良い。
低音のチェンジは現状は良い。
課題は歌になると顕著なのが、5点Cのチェンジ近辺から始まるフレーズ。
喉が上がった状態で始まりやすい点である。
これは歌で練習したので、歌の項目を。

フォーレ「ある僧院の廃墟で」

なんと18歳の作である。
単純なメロディで歌曲(メロディ)と言うよりもロマンス形式。
ただフォーレが違うのは、伴奏の有り方。
和音進行と伴奏形のリズムの選び方が非凡である。

彼女の特有な発音では、E母音が狭いeになりやすいこと。
接続詞のe、形容詞や動詞原型語尾のe以外は基本的に広いE母音に、と指摘した。
またOEの発音も彼女については、EよりもOに近い方が良い。
狭いU母音とあいまい母音のoに斜め線が入るあいまい母音の違いを大切に。
あいまい母音は下唇ないし下あごを少し下げる感じ。
Uは口をすぼめて突き出すだけが良い。

フォーレ「ネル」

これが発声練習の項目で書いた、キーの高さゆえに喉の高さが問題となる好例。
5点E以降は徹底してチェンジを意識して歌うこと。
そのためには、口を逆に開けないで、喉仏の下、両鎖骨の中央のくぼみの中に閉じ込める感じ。
閉じ込めるために、口を開けない方が良いのである。
慣れないと苦しいのだが、それは呼気を強く吐き過ぎるために苦しいのであること。
声が当たったら(音程が出たら)それだけに留めておくように。

團伊久磨「藤の花」

メロディは単に音程が正しいと言うレベルに留まらず、ピアノ伴奏の転調との関係を追及すること。
そのことで、結果的に作者の表現へのこだわりが自ずと達成出来るからである。