MA
発声について
中低音域の発声が主要課題。
基本的に頭声発声が強いが、息が強いためか?声の響きの集まりが悪く、結果的にピッチが微妙に低めに感じられる。
更に低音になると地声の優った発声になるため、ミックスした発声を覚えなければならない。
呼気を抑制して、声帯を上手に合わせて使うということを覚える練習が良いだろう。
そのためには、横隔膜の収縮をどう感知するか?と言う呼吸法の感覚がもっとも大切になってくる。
歌唱
プーランク「パリへの旅」
この曲、音楽を歌う意志を明快にすること。
つまりこの詩を語る主人公がどんな人物で、どんな気分で語っているか?
パリへの憧れを一所懸命に語るあまりに、滑稽な姿をさらしている、という表現を目指してほしい。
アーン「我が詩に翼ありせば」
ドイツリート的に美しく静謐なメロディの姿を壊さないように、充分に丁寧に細かい表現を考えて練習すること。
単純で古典的な和声進行だから、例えばVers votre jardin sibeauが導音で終わり、次のSi mes vers avaient…
が主音で始まるわけだから、このSiはとても丁寧に良い声で歌いださなければならない。
発音では一例だが、votreがヴォートルという具合にカタカナっぽく聞こえるところがある点に要注意。
また特にVの子音は唇を震わせる子音なので、これも
ラヴェル「おもちゃのクリスマス」
美しい伴奏音楽に載せて、クリスマスの子供のおもちゃのある風景をノスタルジックに描いている佳作。
それだけに、全般に中低音域での語り歌いの要素が強いため、中低音域のピッチの良いコントロールの効いた歌声が求められる。
その意味で発声の難しい作品である。
中低音の音域を雑な発声で何となく歌うと、この作品の美しさが消し飛んでしまうから要注意である。