SNT

発声練習

全般に良い響きの声を披露出来ていた。
提案したのは、低音域の4点G以下の領域で下あごを良く降ろす事。
響きは落とさずに顎を降ろして低音の共鳴を誘うように。

パノフカ3番

低域が多く、ここでも低域の発声が課題となった。
下あごを降ろすだけだと、今度は鼻腔に載せた響きが消える。
鼻腔を含めた上顎の響きは落とさないように留意するように。

ヘンデル 「アリオダンテ」よりジネーヴラのアリオーゾ「可愛らしさ、お色気、それに艶やかさが」

音楽のテンポ感をどうとらえるか?
3拍子であるが、均等な3拍を想定すると音楽の力強さを感じること。
譜読みの些細な間違いに注意を。
発音は、子音を正しく明快にすること。
このことによって、母音の響きも良くなる。

フォーレ「イスパーンのバラ」

これも子音発語を課題に練習してもらった。
子音発語によって母音のピッチが決まることを大事に。
つまり母音の発声は子音発語が支配することを留意して練習してほしい。
歌い手が何となく気持ちよくメロディを歌うのではなく、聴いている者が歌詞を理解して良い音楽を感じ取れることが主眼であること。

平井康三郎「平城山」

テンポ設定は良かった。
四分音符を歌うのではなく、歌詞を歌うことを課題にした。
四分音符が並ぶリズムは、あくまで音楽のベースにある骨格であること。
作曲は譜面のスタイルに応じて、単純化して書かれているから、演奏者が歌詞を歌うことの意味を良く表現しなければならない。
つまり歌詞の言語が表現している意味的なまとまりを、音符の絵面で歌うのではなく、言葉として理解出来るように歌うことである。