YH
グランヴァルのヴィラネッル
ひじょうに珍しい作曲家でありこの曲です。
平易な歌詞でほぼシャンソンのようなメロディ。
歌うのはコロラトゥーラという、19世紀末に流行したスタイル。
フランス語の読みは現代の読みで問題ありません。
一番うるさく練習したのは、単語語尾のEをあいまい母音にすること。
このあいまい母音とつづりがOUで表す狭く深いU母音との明快な違いです。
日本人はあいまい母音が歌声のせいで、深いU母音のようになる方が多いので要注意です。
それから、DeやTeなどの助詞のあいまい母音を読む時に、たとえばDuは明快にあいまい母音ではないことをスペルから理解してほしいこと。
つまりEをあいまい母音にする理由は、本来は日本語で読むとエと呼んでいたのが、長年のときを経てあいまいに変化したこと。
かたやDuのUは、本来の読みがユですからD+Eがデュとは読まないこと。
一通り私が歌詞を読んで次に本人が読み、最後に音符のリズムで読むことを私がやりました。
録音を聴いて自宅で復習し、次回のレッスンで再現することになりました。
このいわゆる「リズム読み」は歌うフランス語の場合とても重要です。
最後にフランス語の読みは、声楽の場合は歌声のために発音が奉仕するという場面がすくなくありません。
つまり辞書の発音記号とは必ずしも一致しないということ。
他にもリエゾンの理屈も、歌になると歌のために変化する場合もあります。
したがって歌うフランス語特にクラシックの声楽の場合は、フランス語歌唱を経験して知っている声楽家に指導をしてもらうべきです。