GH

発声練習

ふつうにドミソのアルペジオと5度のスケールで上行を上り下りする練習であった。
相当に勢いのある声であった。
体調が良いのだろう。肺活量も充分あると見た。

シューベルト「竪琴弾きの歌 第1」

声のポジションは概ね良好で全編を丁寧に歌えていた。
気になったのはト短調からト長調に転調していく部分。
特に16分音符で昇るフレーズの音程が不明瞭になりがちな点に注意を。
音程感が不明瞭であったので、部分練習を行った。

課題としては歌詞の出来が良いので、語りの調子を歌に載せられると理想的である。
まずは日本語の訳詞を朗読して、語り手の感情の変化を朗読で表現できるまでになると良い。
そのことが、ドイツ語歌詞でも自然に表現できるようになるはずである。

トスティ「漁夫の歌」

前回練習をした軽快なテンポ感が実現できるようになっていた。
ところどころ微妙に声が上ずる個所があった。
例えば第一楽句の最後、Sovra la spiaggia canta、、、の件である。
その前のフレーズが一瞬変ロ長調に転調してから、短調に戻るために♭がつく箇所である。
移動ド階名で書けば、ミとファの半音程の取り方の問題である。
この問題を突き詰めるとドレミファソ(短調はラシドレミ)の音程感の確立にある。
単音で音を覚えないで理屈に添ってドレミファなりラシドレなり、階名の音程感を基準とすること。
この読譜方法によって、音程がより正確に出せるようになるだろう。

Rolf Lovland You raise me up

高音を含むフレーズの歌い方が練習の中心となった。
現状では、口を開けないで喉奥に閉じ込めるように歌っている。
ただ声が出て来ないのと音程感が明瞭に出ないきらいがあった。
そのため、高音に向かうにつれて口を開けて行くように歌うことを指摘した。
最高音域は口を縦に良く開けて、声を前に掃き出すようにすること。
これだけで明快な音程と音楽に相応しい盛り上がりを表現出来るはずである。