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発声練習

A母音で5度のアルペジオとスケールを行い、オクターブのアルペジオを練習。
そして次に口を開け、下あごは動かさないようにヤヤヤヤを練習。
つまり舌だけを良く動かす練習である。
この時に声の響きを頬骨辺りに当てるように意識する。
これで、特に5点Cくらいまでの中低音でピッチの良い良く通る声になる。
これは子音発音などに影響を受けずに響きを一定にするレガート唱法に有効な方法である。

高田三郎「くちなし」

これまでも何度も練習してきているので、歌詞の明快な表現力豊かな歌声になっている。
強いて言えば父親の語る「ごらん、くちなしの実を。ごらん・・」と歌う個所。
ここをテンポを遅くして、父親の声になってみるのも興味深いと話した。

モーツアルト「フィガロの結婚」より伯爵夫人のアリア「愛の神よ」

良く歌えているが、中高音~高音にかけて声が軽すぎる感じがあり気になった。
もう少しノーブルな歌唱になるべき役柄ではないだろうか?
中低音の声質は良いとしても、特にI母音で口を横開きにすると声質が浅く子供っぽい軽い声になる。
これが中高音~最高音に上るフレーズで顕著になる点を練習した。

アーン「クロリスに」

S’ilのS子音はシではなくスィと発音することを忘れないように。
出だしの音程感を端緒に、歌声の声質いわば音程によるポジションを指導した。
出だしは移動ド階名で言えばミファソと連なる。
主音はドであるから、この主音のドを良いピッチで発声し、そこからの連続的な響きでミファソと歌う練習である。
A母音だけでやると上手く行きやすいが、歌詞で歌うと響きが不ぞろいになる。
特にE母音で喉が上がりやすいのである。
しかし大事なことは、主音が根底に静かにある上のミファソを歌う、という点である。