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今日は、本番の合わせということで、ピアノとヴァイオリンの方とのトリオ演奏を聞かせてもらいました。

書くことは全曲ではなく、要点だけです。

1曲目の「歌の翼に」は、テンポが重いので、先に進むテンポにしてもらいました。
それから、声のピッチが低いので高く意識してもらいました。
これが、最後まで功を奏しました。

印象に残っているのが陽水の「少年時代」です。
これは、ピアノ伴奏の楽譜にmfと指示がありましたが、そのような強さではなくもっと柔らかく丁寧に演奏する方が美しいと思いました。
オリジナルの録音は、そういうイメージの演奏になっていますが、これはPAの調整で、歌声が綺麗に前に出せるから良いのです。

今回は生演奏でPAの調整が出来ませんから、声とバイオリンとのバランスで言うとそうなる方が声が良く聞こえる美しい演奏になる、ということです。
それからバイオリンは良く響くので、PAは入れない方が良いと思います。

ということで、自分が提案したことは、ほとんどがバランスに起因することでした。
PAを使わない場合は、楽器のバランスが一番大切だと思います。

次がテンポです。何となく合わせたテンポと言うのは、妥協点が多いため、音楽的にはずれが出ませんが、
機械的で詰まらない演奏になることが多いのです。
せっかくの演奏、面白い興味深い演奏にした方が、本人達も面白いはずです。

カルメンのハバネラは、前半を歌い過ぎないで、言葉を語ることに重点を置いてほしいこと。
その代り後半のメロディを歌うと全体のバランスが取れるでしょう。
歌い過ぎ、と言う意味は、音符をただ歌っているだけで終わってしまう歌のことを言います。
言葉の面白さを感じて、その言葉を相手に伝えるようにすることが大切なのです。

ミミのアリアは、
前半は、レシタティーヴォみたいなものなので、3人できっちり合わせてください。
最後のMa quando vien le sgeloからは、重くたっぷり歌った方が良いでしょう。
そして、Il primo bacio dell’aprileの部分を良く歌い込んで下さい。

Quando m’emvoは、前半のモチーフは、ほとんどIn tempoでやった方が後半が活きてくるでしょう。

当り前のことですが、楽器と声の全体的なバランスと、テンポ感、そしてアンサンブルが一番大切なことです。
それだけで「聞き続ける集中力」が生まれるか、失せるか、という違いが出て来ますので。
細かい個々のテクニックはほどほどでも、上記のことがきちっと出来ていると、格段に良い演奏になると思います。