IM
久しぶりのレッスン。
発声は、低音から母音Iで始めて、2点Fまで。
その後、1点GでIEAと変化させて、前に出るAを練習。
そのAの響きで下降形5度。
2点Dから下がって練習。
そして1点Cから母音Aにして、3度5度アルペジョ、そして5度スケールで
2点bまで発声練習となった。
久しぶりだったが、声に衰えはなく、以前の良い声のままである。
高音が力みすぎるか、ファルセットになってしまうか?という面がある。
力み過ぎるのも、ファルセットもどちらも避けたいが、どちらか?と言われればファルセットを避けてもらいたい。
これは、高音の限らず、中低音もである。
ただし、中低音はでかい声というより、地声で強すぎるのは避けたい。
あくまで、今日の発声練習のIからAに変化させたように、前に当った響きが
欲しいという意味である。
曲は、シューマンの「女の愛と生涯」1番~3番を練習した。
この3曲は、以前も取り上げたことがあり、本番でも出したものである。
今回のトライは、発声の勉強が目的なので、新しいものを読む労力は省いた。
本番も見据えた練習になる予定だが、これも暗譜を目標から外した。
極力、無理をしないで、良い声で良い歌を歌うこと、それを彼女のレベルで達成出来るだけのことをすること。
という目標である。
1曲目は、彼女の苦手な付点4分音符で伸ばす2点Esが、リズムに不安があるのか?ポルタメントがかかったように
リズムより速くピッチが微妙に下降してしまうこと。
次の8分音符まできっちりと、正しい音程で伸ばすことである。
再現部、同じメロディ形だが、休符が入るところを間違わないように。
2曲目は、特徴的な跳ねるリズム形に注意。随所にあるから、間違えないように。
付点8分音符+16分音符のパターンである。
後はドイツ語の読みを、もっともっと練習して欲しい。またリズムで読む練習も重ねて欲しい。
3曲目は、3/8で、1つ振りだが、難しいので3拍子でゆっくり数えて練習した。
とにかく、ゆっくりでも確実に出来れば良い。
確実に出来たら、少しずつ速度を上げて、結論は1小節を1拍として数えて歌えれば、目標である。
中間部は、ゆったりで良いので3拍数えて歌うのでも構わない。
また、Ritardandoが随所にあるので、この点も確認を怠らないように。
FA
発声練習の声は、調子が良かった。
いつもは気になる、2点C~Fにかけてチェンジしてミックスする声も、無理がなく、自然で滑らかであった。
また、完全にチェンジする2点G以上も昇って降りてしてみたが、中音域に戻ると、喉も自然に戻ってミックスした
響きになっていたので、ほぼ教えたとおりが出来ていると感じた。
まだ喉が硬い感じが少し残っているが、この調子を毎回再現してもらえれば、ありがたい。
曲は前回同様、林光のソプラノとフルートのための歌曲3曲を練習。
「道」から。
全体に、自然に取るピッチより微妙に♭気味に感じた方が、彼女の場合は喉が落ち着くようである。
絶対音感のせいでピッチが高めになるのか?喉が高過ぎてしまう原因とも感じられるから。
また、高めの響きで喉が上がらないでおけば、低音にも自然に戻れるものである。
何と言っても「この道はだれの道」のモチーフは大切だ。
また、「歩いて行った」の行ったの促音の休符を充分出して欲しい。
促音の持つ印象を強く与えなければならないから。
この音高の上がり下がりが、言葉に与えるアクセントを考えると、どこか関西弁的な、あたかも浄瑠璃の義太夫節のような語り口が感じられる。
試みに、この音符の音高通りに語ってみると、そのままで、ほとんど義太夫節になる。
その特徴を良く感じ、良く出して歌うと表現に繋がると思う。
2曲目の「子供と線路」は一番判りやすいだろう。
中間部の最後、クレッシェンドは有効だ。
最初の「わらっていた」は良く強調して、後を充分クレッシェンドして、最後の「あいありで~」を劇的にFに持って行くように。
コーダ部の「かかっていた」の繰り返しは逆にディミニュエンドをしっかり出して欲しい。
3曲目「空」はもっとも技巧的に難しいが、恐らく音符的な正確さよりも、音符の形が大雑把でも言葉の語る勢いとリンクさえすれば
語る勢いが出てくるから、良いのではないか?
その場合、当然だが、フルートもそれに合わせる形になるだろう。
完全に、几帳面に合わせるのであれば、徹底的に譜読みをソルフェージュ式に正確にやるしかないが、かなり時間が要りそうである。
フルートと合わせるのはその方が容易だろうが、勢いが今度は出し難い点がある。
その辺り、どの程度出来るか?やや心配だ。