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発声練習は20分くらいもやったか?
多分、声出しはしていなかっただろうと思われたが、綺麗に発声が出来ていた。
ただ、中低音の辺りでしばしば声がぐるっとひっくり返りそうな感触を示すことがあった。
話を聞くとやはり声帯を合わせようとしてなるらしい。
息を混ぜること、声帯を完全に閉じないで出す感じを覚えてもらえると、など説明。
後、声の出しはじめが高いポイントばかりを狙っているようなので、そのまったく逆に低いポイントである、喉の下、鎖骨の中間を
軽く狙う方法も教えた。
強くやり過ぎると、強い声になるが、今回はその意味ではなく、喉が高くならないで良いポイントをつかむための方法である。
これが適度に開いた中高音~高音の響きになる効果が良く出せて効果的であった。
ドビュッシーのペレアスとメリザンド、塔の場面のアリアと掛け合いをざっと譜読み練習をした。
オペラで演技があって歌うのではない、コンサートスタイルとなるので、テンポは遅めにイメージしてもらいたい。
ドビュッシーのサウンドが出せれば、それだけで成功と思っているから。
従って、進むことばかりを考えないで確実にリズムとメロディをトレース出来ていれば、伴奏合わせでいかようにでも出来るので
心配しないでもらいたい。
ドビュッシー、後は歌曲から、De reveとDe fleur。
この2曲は彼女に教えるのが初めてなのだが、選んで良かった。
オーケストラを思わせる伴奏と、大きなフレーズ感が特色の歌の旋律に特徴がある。
ドビュッシー初期の歌曲だが、まだまだワーグナーの影響大だった雰囲気が濃厚である。
彼女の歌は、どちらも中低音の声色が抜群に良く出来ていて、この点においてドビュッシー歌曲の醍醐味が感じられるようにまで、成長していた。
また、時折出てくる適度な高音フレーズも、下の声がきちんと出せているだけに、表現力が感じられ、音楽的なバランスがとても良い。
譜読みも、私の伴奏をものともしないで音が取れているので心配はないので、伴奏合わせがとても楽しみである。
後は、メリザンドの掛け合いも含めて、理屈抜きでフランス語の歌詞を何度も読み込んで、語り口に習熟してもらいたい。
それだけで、ドビュッシーの音楽が活き活きとしたものになるからである。