YA

3年ぶりでしょうか?地方に移動でしたが、また東京に戻ったとのことで、来てくれました。
もう10年来のお付き合いとはいえ、再訪してくれるのは本当に嬉しいものです

声は、変わっていませんでした。
ファルセットの声が強いです。
2点Cくらいから直ぐファルセットになりますし、下手をすると1点Aで、すでにファルセット化します。
ファルセットそのものが悪いのではなく、声門の開きが強いためか響きが薄く、いわゆる白い声の傾向です。

以前からこのことを何とかしようと思っていましたが、どうも治しきれずにいました。
また、合唱のソプラノもやっている関係上、そのことが障害にならないだろうか?という危惧もありました。

今日やったことは、母音をIにして練習することと、ハミングで響きに芯をつけつつ、ピッチを合わせる、ということでした。
単に音程の感覚として、低目に意識するだけでも違うようですが、これは勘違いすると、本当に低い声になるので
裏技的に考えて下さい。

少なくとも、ハミングを基本に考えるなら、2点Eまでは、絶対に声の響きを裏返さない意識で、ピッチを合わせる声の響きを
追及して下さい。
そのための具体的なことは、喉を上げないようにすることです。
同時に軟口蓋を上げることが大事です。

このことを練習するのに、ハミングで発声をやるのが良いです。
ハミングで芯の明快にある響きを出すために、中低音域では頬骨にしっかり当てるように出すこと。
その上で例えば5度のスケールであれば、音程も綺麗に載っているかどうか?をコントロール出来るように、
喉と軟口蓋とのバランスが必要になって来ます。
これは口の開け方で、口奥の筋肉が

Amarilli
出だしから開いた声になってしまうので、ハミングから作り直しました。
恐らく、声を出だす瞬間に喉が上がっていると思います。
音程に敏感に反応するために、喉が上がり開いた声帯で歌ってしまうように思います。
音程を低めに、或いは声を出す重心を低くして出すだけでも、喉の合った声になるでしょう。
ただ、それだけだと音程が今度は♭になってしまうでしょう。
ただ、どちらもトライして作り直さないと、声は変わらないと思います。

Caro laccioも最初にLiliと言う具合に母音をIにして、喉の合った響きを確認してから、
例えばLalalaと開母音でも、同じように出来るか?
最終的に歌詞を歌っても、その感覚を保てるか?というように、段階を経て練習をします。

歌詞を歌う場合は、口の動かし方も滑らかにすることです。
母音のアイウエオや、音程の跳躍に敏感に下顎が反応するのではなく、声の響きが変わらないように、
また声の響きがはまるように、口の動かし方を工夫して下さい。

MM

発声練習の声は、前回に引き続きとても調子が良く、喉も温まりが早いです。
響きも安定しているし、声の換声の具合も滑らかです。
発声の原理や、必要なことが判って来た、という印象を持ちました。

一方歌声になると、まだ発語との関係や音域の変化に影響されて、喉の使い方に偏りが出てしまいます。
一番大きいことは、まだ喉を開くことや、喉を深くすること、あるいは舌根に力を入れることが多いようです。

今回のレッスンで感じたことは、換声点近辺から上に昇る辺りになると、不要に声帯を開いてしまうことが多いのです。
この2点E~Fか2点Fis近辺の音域で、声帯が綺麗に閉じた響きが出せるようになるのが理想です。

もちろん2点C以下の響きとは、声帯の振動具合が違いますので、工夫が必要です。
下顎をあまり下げないで、響きを鼻根からおでこ辺りに当てるような意識で発声して見ると良いでしょう。
次回またトライしてみたいと思います。

ベッリーニのAh non credea mirartiでは、やはり朗読の効能を再考してください。
どうも、メロディに引きずられるのか、レシタティーヴォも、アリアも、発音が不明瞭で、フワフワした感じの声になります。
喉の開いた声でもありますが、単に発語のせいもあります。
確かに音程は良かったですが、響きがまだ開いた感じです。

今回は練習をしなかったですが、高いキーで朗読すると、喉が良い意味で締まって、声帯の合い易い喉に鳴ると思います。

どの曲でもそうですが、全体にメロディの質やスタイルに声が影響され過ぎている感じがします。
レガート云々の話以前に、もっと言葉をはっきりくっきり明瞭に語る、という基本があった上での、歌、ということを
強く感じました。

ただ、全体には前回よりもチェンジ近辺の声は、響きが安定し、集まった響きが実現できて来ています。
また、カデンツの高音も綺麗になりました。2点Asの響きもようやく音程が決まって来ました。
2点AからAsへの変化の場合、声は抑えているので音程が出にくいですが、喉を閉じるように口奥を狭めると
音程の出る声の響きに共鳴の変化のような効果があります。
要するに口を開けない方向を考えて下さい。

Suicidioは、ベッリーニ以上に、2点F前後の声に注意をしました。
この曲は2点F前後で強い声の表現があり、更に高い声の時は、ほとんど細くきれいに出す場合が多いです。
この2点G前後のしっかりした声が曲者で、どうしても喉を下げ過ぎて太くなりすぎるのと、声帯が開いた響きになってしまいます。

どんなFの声でも、声帯を開かないように合わさった響きを追求して下さい。