KY

ラヴェルのギリシャ民謡を練習しました。
以前、取り上げたことがありますが、再び勉強をということです。

その前に発声練習をしました。
改めて、彼女の発声を見て思ったことを少し書きます。
口を開けることにおいて、少し硬さを感じます。
特に上唇が強張る感じがあって、これが下顎の硬さと対になっている感じがします。
恐らく、口の中を開けようとするあまり、強張ってしまうのでしょう。

母音の特にAの場合は、Aを意識しないで、Oの口を作っておいて、上唇を上にめくるような開け方、が恐らく良い方向を
作ってくれると思います。次回やってみましょう。

ギリシャ民謡、1曲目は母音だけで音を確認してから歌詞を付けました。
音程に不安がある面が残っていましたので、何度も練習しました。
2曲目は、とても良く歌えていましたが、子音が弱いです。
巻き舌が出来るのですが、RとLの区別があいまいになっていたので、その点で違いを明快にしましょう。
Vなども唇を使った発語を心がけて下さい。
3曲目、良く歌えています。アカペラになる箇所は、リズム音程共に落ち着いて取り組んで下さい。
4曲目は、3連符の伴奏形の箇所、歌が流れないように、縦のリズムをしっかりつかんで下さい。

5曲目は、3拍子と2拍子が入れ替わるようになっている箇所、気を付けて下さい。
あとは、全体の祭りの手拍子のようなリズム感を充分感じて歌えるようになってください。

GH

発声では高音発声を特に練習しました。
GHさんも、どちらかといえば発声時に口が開かない方なので、まずは口を良く開けることで、高音発声時に喉を締めないで、音程良く出すことを練習しました。

ただ、開けると言っても横開きに開けても意味がありませんし、むしろ弊害があります。
縦に開けることです。
その意味は、下顎が降りることで喉が上がらない。上あごというより、実際は上唇が上がることや、頬が上がること、鼻の穴が開くことで、鼻腔が開いて頭声発声がし易い、状態が出来ます。

シューベルト「冬の旅」の16番「最後の希望」は現代的な雰囲気を漂わす曲想であり、より音程の正確さが大切になります。
歌詞で練習する前に、発声がし易い母音を使って、徹底してソルフェージュを確立してください。
音程とリズムを正確に歌えるようにして下さい。

その上で、歌詞発音は別に練習して下さい。
歌詞だけで、朗読が出来るレベルになってから、歌う練習に入って下さい。

「村の中で」はシューベルトらしい気品と詩情溢れる曲想ですね。
これも練習方法は同じです。
いずれの曲も歌い過ぎてしまうと、逆に音程感が悪かったりリズム感が悪くなってしまうものなのです。
歌詞発音を朗読を通して身に付けると、音楽が持っているリズム感やメロディが自然に理解出来るようになります。

NS

発声練習の声は、相変わらず良い声が聞こえていますが、まだ微妙に喉を締めた感じがあります。
理由は恐らくピッチを気にするためと、前に出た集まった声を出すためでしょう。

発声練習の声、特に中低音の声は、もっと柔らかい使い方を覚えるべき、と思います。
表現とはあまり関係の無いことですが、あるいはニュートラル(中庸な)表現といっても良いかもしれません。
少し締まった声は、確かに良く響く感じがするものですが、聴いていると何か気張ったような、無理をしているような感じが
します。
声は、表現を狙っている結果が出ているなら良いですが、無意識で色が付いてしまうのは、あまり良い結果にならないように思います。

フォーレのヴェニスの5つの歌曲のMandolineから始めました。
少し強めの声ですが、シラブルをはっきり切った歌い方をして、前回レッスンで指摘した通りでしたが、これがどうもしっくり来ません。表現の根本が、どこかこの曲の持つものと違うところにいるように感じました。これも、前述の発声の結果ではないか?と云う気がします。
特に、後半のTourbillonentのPで出る声のピッチの高さや、最後のChanteuseのTeuの母音の響きの高さにあります。

次のEn sourdineは、全体に弱声が綺麗に良い効果を出しているために、歩留まりの良い歌になっていました。

次のGreenで、母音のピッチの問題が顕在化しました。
結局、発声、ということになりますが、レガートに歌うことと響きに拘るあまりに、メロディラインを一本化しようとして、
音符の一つ一つのピッチがあいまいに聞こえてしまうのではないか?と分析しました。

とどのつまりが、母音の響きの平均的なピッチの高さは重要、という結果です。
なぜなら、ピッチの正確さが、母音の響きの美しさを担保するからです。
或いは、ピッチの高い響きに拠る美しい母音の響きによってこそ、このフォーレの歌曲の真髄が出せるのではないかと思います。。