OM

コンコーネ15番の4番から練習を始めました。
ソルフェージュ力は良いです。特に16分音符の扱いが丁寧で、この曲に特有の跳ねるメロディ感が良く表現出来ていました。

中低音の声ですが、共鳴が良く出るようになりましたが、ただもう少し集まった響きが出せるともっと良いですね。
声の響きの芯が集まってピッチが高くなると、更に通りが良くなり、また楽にレガートに歌う感覚になれるでしょう。
母音をIにして、良く練習してみてください。

また、高音は、フレーズの中で時として抑え気味の感じがあります。
声が温まっていないので、単に抑えていただけかもしれません。
滑らかな昇りフレーズのテーマは、もっと高音に向けてクレッシェンドがかかるくらいでも良いと思いました。

次の、ルチアの狂乱の場。声に無理がないので、高音域の音楽が良く判る歌声になりました。
また、中音域も、響きが付いてきました。

ただ、この曲は特に前半で中音域のメロディが多く、また歌詞の語り口が大切になって来ます。
語り口(語感)が出ないと、音楽が非常に単調で機械的にしか感じられず、曲の持つ魅力が半減します。
この点が、この曲の難しさだと思います。

良くイタリア語を読むことと同時に、ネイティヴの名人歌手の録音を聴いて、中音域の歌詞の歌い方、歌い廻しを良く真似して見て下さい。
そこから、イタリア語を歌う上で何が必要なことか?が自然に判るようになると思います。
歌うだけではなく、普通に読むことと並行して勉強して下さい。

そして、モーツアルトのコンサートアリアは、とてつもなく高い、という音域ではなく、ソプラノの範疇ですが、
活発なリズム感とメロディで才気あふれるモーツアルトらしい良い曲でした。
高音の発声は、3点Es?はさすがに高さを感じます。少し喉がきつい感じがしていました。

高音発声できつい場合を考えると、大体が出し過ぎなのだと思います。

声のアタック時に、少し軽く当ててクレッシェンドするか、昇る際の下側の声の響きを一瞬ずりあげて
当てるか?と言う方法をやってみてください。

高音になると、声の出し始めは高い所を想定すると同時に、胸に一瞬当てる要素も必要です。
これがないと、喉がしまってきつい苦しい声になるでしょう。

IS

発声練習は、母音Iで始めました。
Iで発声すると、余計な喉の力みが出ず、クリアな高音の響きが出せるように思いました。
また、喉も上がらず安定した喉のポジションが自然に得られるのです。

その後、Jaで練習をすると、下顎側に力みが出て、少し喉を掘る発声になってしまいます。
下顎を降ろす意味は、単に喉が上がらないためだけであって、舌根に力を入れないようにすることを
注意して下さい。

あとは、声の響きがややポジションが高いので、喉をリラックスして、ポジションを低く意識してもらいました。
響きが薄くなる傾向は、この喉のポジションが高いためと思います。

モーツアルトのAn chloeから始めました。
全体に明るい声で良かったですが、これもポジションを低くしてもらいました。
単に、喉を脱力するように意識して、声の響きをあまり高くしようとしないことです。
そのことで、喉がリラックスして響きが少し太くなります。

そしてここが肝心ですが、結果的に表面的な意味では明るいこの曲想に影が差して、恋愛の哀愁が感じられる
音楽になったことです。

そして、ヘンデルのPiangero la sorte mia
これは、レシタティーヴォにおいて活力のある声で始めますが、ポジションが高すぎると
逆に力強さが出ないです。重心を低く置くために、下顎を良く降ろしてしっかり発声して下さい。

アリア部の出だしは低音ですから、これも下顎を良く降ろして、喉の締まらない状態で
良い低音で歌い出してください。要するになるべく息漏れの出ない響きです。
これが上手くいくと、長いフレーズを一息で歌えるでしょう。

中間部は、伴奏にもよりますが、速すぎるので、拍をきちっと意識して出来る範囲で歌ってください。
その方が、イタリア語のシラブルも明快になりますので。
速すぎて音符やシラブルの扱いが滑ってしまうことは極力避けてください。

冒頭のテーマに戻る際に、喉を良くリラックスさせて、低音の良い声を意識して、再開出来るようにしてください。