TA
コンコーネ50番から、7番と8番、そして、曲はプーランクのガルシア・ロルカ、そしてグノー「ファウスト」から「糸巻きの歌」、最後に
トマのハムレットのオフェリアのアリアを練習しました。
中音域の声は、以前に比べると、音程良く歌えるようになりましたが、本質的には、まだ頭声の響きの少ない状態と思います。
音程が良いのは、恐らくファルセット的な要素を使っているためですが、欠点として息漏れが出ることです。
声の出し始めで微妙に息を漏らしている傾向があるのは、そのためではないでしょうか。
良い高音発声を準備するのは、中音域ですから、この中音域で息漏れのない状態を作るために、ハミングの練習はお薦めです。
それから、これが彼女の場合一番大きな課題ですが、歌う姿勢が未完成だと思います。
首の後ろ、いわゆる襟足を手で後ろに引くように掴まれた状態、と云えば良いでしょうか。
要するに胴体の上に乗る頭の位置が、今の常態より、もう少し後ろにあるようにポジションであることです。
この状態を維持し、発声出来るようになると、頭声のコツがつかめるかもしれません。
本当の発声は、特に2点Eから上になると、目の詰まった響きになるのが判ると思います。
響きの目が詰まって、声の響きの当りにしなやかさが感じられます。
息漏れが少なくなり、ブレスを不要に使う感覚がなくなるため、多分もっと楽に歌えるでしょう。
IS
日本歌曲から、山田耕筰「砂山」から歌ってもらいました。
彼女の声には音域が低いのは判っていましたが、声量が出なくても音程が綺麗に歌えると、この曲の良さが出る、という
典型のような結果でした。低音は、声量よりも明るくピッチの良い声を基本に、が大切です。
平井康三郎の「びーでびーで」は、これは、声としても表現としても彼女にピッタリで良かったです。
譜読みが不完全でしたので、良く歌い込んでおいて下さい。
「初恋」PPの声の表現は息を極力抑えて、高く響かせるようにすると、息漏れがないPPになると思います。
この曲も含め、以前に比べると、どうも低音の声の響きが弱くなったように感じますが、気のせいでしょうか。
発声練習では地声の練習をしてみましたが、出し慣れていないようなので、あまり出来ませんでした。
この地声の練習は、直接的な効果よりも、硬直化した発声器官のマッサージ的な効果だと思って下さい。
中低音の響きの厚みに影響があると思います。また結果的に、高音にも関係してくるでしょう。
最後にヘンデルのアリア、Vadoro pupilleを練習しました。Ch’ognoraの読み方に注意でした。
声の基本的な部分は言うことがありません。
根本的な課題と(嗜好の問題)として、母音の違いを極力なくして、一つの響きに統一するような
発声の考え方を持つことが、このような曲の美しさに関わると思います。
全体に唇を前に突き出すような発声方法も、覚えるとこの点で良いのではないでしょうか。