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彼女の発声は、基本的に低音は別としても、中音域での声の出し方が、
高音発声に影響を与えているように思います。
中音域で声帯を合わせる感覚が強いらしく、そのことが結果的に高音のチェンジで
ファルセット傾向になるか、喉っぽくなるか?という、声区の段差が生じてしまう原因になっているのだと思います。
なんといっても、中音域は声が出やすいので、この声が出やすい領域での発声方法に気を配って下さい。
配ることは、声の出し始めを柔らかめに入ることと、音程を少し高めに感じることです。
ドンピシャに入ろうとすると、声帯が太く当ってしまい、地声の混ざった声になり易いです。
柔らかく声を出し始めることで、フレーズ途中での高音発声に対しても、筋肉が過敏にならないというメリットが出来るのです。
それから、音程の感じ方だけでも、この声の入りの柔らかさに大きな影響を与えるのです。
歌い出しで、声のアタックを柔らかく入ることと音程を高めに感じること、の2つを大切にしてください。
曲は中田喜直の日本歌曲や童謡を集めた4曲のプログラム。
1曲目が「小さい秋」「おかあさん」「夕焼け」「夏の思い出」です。
「夏の思い出」は歌謡集ではなく、オリジナルに変更しました。音が1音高く、間奏も入っています。
「小さい秋」は、小さく可愛く歌う部分と、大きく情熱的に歌う部分を明快にしてください。
「おかあさん」は、何と言っても子供お母さんの会話ですから、現実を思い起こして、ユーモアと言葉の明快さを大切にして下さい。
匂いまで感じさせて下さい。
「夕焼け小焼け」前回はテンポをゆっくりにしましたが、テンポ以上に、発声を大切にしてください。
特に低音の声は、力まないでピッチを高めに丁寧に歌うことで、高めの声とのつながりや滑らかさが得られるようになるでしょう。
この滑らかさを大切にしてください。
「夏の思い出」は、とても綺麗に歌えたと思います。滑らかに歌うことで、この旋律の優雅さを表現してください。